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マーケティングの今を考える1

2009年02月08日 | Weblog
顧客満足
 商売の基本は何と言ってもお客さまに購入していただいた商品を、気に入っていただき満足して貰うことだ。しかし、折角の優れた商品もお客さまの目に止まらず、仮に目についたとしても関心を寄せて貰えず、関心を持って貰ったけれど値段の問題や店員の対応、またはアフターサービスなどの問題から、結局購入して貰えなければ仕方がない。

 いかにお客さまに喜こばれるような製品・商品(Product)を開発し、流通(Place)を通して、適正な価格(Price)で、お客さまにアピールして(Promotion)購入していただくか、これが4Pといわれるマーケティング要素であり、これらの効率の良い組み合わせによって拡販できる仕組み作りがマーケティングである。目的はお客さまに喜んで貰うこと。それによって企業が適正な利潤を得ることにある。

 この「顧客満足」という課題に、現在の企業はどのように取り組んでいるか。
日経ビジネスの昨年11月10日号に、巨大流通業に成長したJR東日本3社が紹介されていた。その中の新宿駅ビルなどを展開する「ルミネ」の場合は、「従業員満足」を得ることで、自動的に顧客満足につながると考えたとある。

 「ルミネ」は、この「従業員満足」を得るために、従業員の休憩所を充実したり、その年の最も優れた販売員<ルミネスト>選出イベントを盛大に行うようにした。さらに販売員教育を徹底するとともに、その成果を確認するために、年1回は覆面調査を行い、販売員の接客態度に目を光らせたとある。すなわち、施策のPDCAをしっかりまわしているのだ。

サービス業においては従来から「インターナルマーケティング」すなわち、組織の内部で働く人々の満足に配慮した仕組みづくりの重要性が言われる。小売業においても顧客と直接接するのは販売員であり、その態度如何で売上げは左右される。そこに目を付けた経営者の慧眼と実行力が成功をもたらせた。

 サービス研究の先駆者T.レビットは「本来、サービス業というものは存在しない・・・すべての事業はサービス業である。サービスの要素が他の産業より大きいか小さいかという程度である。サービスを必要としない人など存在しない」*1)と言っているけれど、これは1969年、すなわち40年も前に言われたことだ。

 思えば製造業にあっても、物づくりに携わる人々の働く喜び、製品に対する熱い思いがなければ、いい品質の製品ができるわけがない。不況が来れば真っ先に契約社員を解雇する経営者は、今後もいい製品を作り続け、お客さまに喜んでいただこうという気持ちはないのであろう。

*1)明治大学リバティー・アカデミー「実践マーケティング戦略セミナー」より
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