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今の世の中を見てみれば その19

2020年10月25日 | ブログ
総理大臣の資格

 中曽根元総理の内閣・自由民主党合同葬儀が10月17日に行われた。事前に大学等に弔意を表すよう政権から要請したようだが、それは余計なことだった。国葬ではなく、仮にそうだとしても教育機関はじめ公的機関にそのような要請は悪手である。弔意はそれぞれの人の心にあるものだ。従っても振りだけかもしれず意味は薄い。現政権の裏の顔が覗くようで疑心暗鬼を生むばかりで、そこまで気が向かない現政権の知性と教養の乏しさを感じる。

 中曽根さんは確かに、一国のリーダーに相応しい戦後日本の最後の総理大臣だったかもしれない。

 合同葬では読売新聞本社主筆である渡辺恒雄氏の弔辞が代読され、翌日の新聞に全文掲載された。『中曽根さんは私の師であり、8歳上の兄であり、六十余年にわたる私の唯一の、畏敬した友人でありました。・・・・私は政治家としての中曽根さんのあまり知られていない側面について、感想を申し上げたいと思います。

 それは、中曽根さんの政治家の裏側の、哲人としての側面であります。まず、中曽根さんが熱心なカント哲学の信奉者であったことです。群馬県にある中曽根康弘資料館の中の、中曽根さんの膨大な読書の歴史を示す万巻の書籍の棚の中で、ひときわ目立つ立派なガラス箱の中に、カントの純粋理性批判とパスカルのパンセの2冊が安置されてあります。・・・・』

 これを読んだ時、これは渡辺主筆の中曽根さん後の総理大臣への強烈な皮肉と思えた。中曽根退陣後、竹下登氏から現在の菅総理まで18人の総理が居るが、総理大臣に相応しい知性と教養を持った印象の方は見当たらない。

 安倍前首相に至っては、彼が成蹊大学時代に政治学の講義を受けたと思われる現在当大学の名誉教授という先生から、『「優」や「不可」をつけた記憶がないから目立たない学生だったのだろうに始まり、率直に言って、僕は安倍政権には「負の遺産」しか見つかりません。・・・65歳という年齢の割にはとてもチャイルデッシュ(子供っぽい)印象です。国会での品のないヤジをみると、人間的には未熟に感じます。・・・そうした未熟さがあったから、側近たちに、間違った知恵をつけられて信じてしまった部分もあるのかも知れません。・・・

 これは安倍さんだけではありませんが、2世、3世議員が多くなり、政治家が「家業」になってしまったことも大きな問題です。これでは政治家の資質そのものが落ちて当たり前です。政治家は国民の命を預かる仕事です。そのためには、歴史書を含めて多くの本を読み、人類の歩み、知識を学ぶ必要があります。人類の歴史や人間の在り方について高い見識がない人は、本来やってはいけない仕事だと思います。・・・』((AERAdot.9月9日配信)と言われる始末。


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