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世相を診る 第3回

2022年02月07日 | ブログ
元総理という弊害

 近年、総理退任後に長く議員に在籍し、顰蹙を買った事例として、中曽根氏と宮沢氏が印象深い。結局当時の小泉総理がお二人に引導を渡す形になったが、中曽根氏は相当不満だったようだ。101歳まで生きられた方だったから85歳での引退は、ご自身では早いと感じていたのだろう。総理らしい総理ではあった。

 宮沢さんは中曽根さんよりひとつ若かったが、引退後数年で亡くなられた(享年87歳)。宮沢さんは池田勇人の側近として、戦後の経済復興などに功績があり、宏池会を率いて早くから総理総裁候補の呼び声が高かったが、総理に成られたのは72歳の時だった。その着任には、当時の小沢幹事長から面接されたという話があったが、三塚博氏や渡辺美智雄氏との総裁選に勝利したものだ。その小沢幹事長から「神輿は軽くてパーがいい」と言われた海部総理の後塵を拝したわけだ。

 総理になると、小沢一派が小選挙区制への政治改革を掲げて造反し、結局2年足らずの短期内閣で終わった。中共との関係では、天安門事件後の国際世論にわが国が利用された責任者と言われ続けた。宏池会を率いる岸田現総理への先入観に基づく批判の原因のひとつでもあろう。

 中曽根、宮澤両氏に引退勧告を行った小泉氏は、総理退任後一応政界から引退した。しかし、原発反対を掲げて、当時の安倍首相にも直言しており、未だ細川元総理、村山元総理などと今も活動を継続しているようで、福島原発事故の後遺症に関する発言では、国益に反すると批判されている。国益を損なっているのではと、引退後もその言動を疑問視される元総理に鳩山氏も居る。

 彼らは前述の通り、総理退任後比較的早期に議員も辞めており、国家の歳費を使ってモノを言っていないだけいいけれど、元総理で、現役議員、中には大臣を長く勤めて影響力を行使し続けている政界の問題児もいる。

 中で、野田佳彦氏などは影は薄いが、最近同じく民主党政権時の総理大臣だった菅(かん)氏のヒトラー発言は物議を醸している。『維新創設者の橋下徹氏らについて、「主張は別として弁舌の巧みさでは、ヒトラーを思い起こす」と投稿。維新が26日、立憲に投稿の撤回と謝罪を求める抗議文を提出している。』毎日新聞

 「野党第1党と第2党の場外乱闘」などと面白がっている向きもあるようだが、そもそも内閣総理大臣迄上り詰めた方は、与党であれ後の野党であれ、その退任後早めに政界から引退された方が良いように診る。

 そもそもしっかりした準備もなく、総理就任時に失敗すれば腹を切る覚悟もなく、半端な気持ち、成り行きで総理に着任する。不完全燃焼という気分もあって、復権を目指して違法ではないが、恥の上塗りをしているだけに見える。長期政権を維持しながら結局何も出来なかった元総理も、さっさと引退される方が国家国益のためには良いことだと診る。



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