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この頃気になることなど第4回

2012年06月10日 | Weblog
マインドコントロール

 6月3日、オーム真理教の地下鉄サリン事件(1995年)から逃亡を続けていた菊池直子容疑者が逮捕された。そして久しぶりに「マインドコントロール」という言葉を聞いたような気がした。昨年暮れには元教団幹部の平田信が出頭して逮捕されていたが、その折はどうだったか記憶がない。

 オーム真理教の事件では、その信者に医師や弁護士、高学歴の技術者など一般にはインテリ層に属すと思われる人々が多くいたことで、マインドコントロールの怖さを思い知らされたものだった。

 現在もいかがわしい新興宗教の類はあるようで、オーム真理教も名前を変えただけで復活しつつあるような報道もある。しかし、マインドコントロールは宗教に限らないのではないか。今の政治などもマインドコントロールによって執り行なわれているようで不気味だ。

 消費税増税など、財務省政権と揶揄される野田政権が、ただそれにひた走る姿は、国家財政破綻の恐怖を刷り込まれた為か、不人気の民主党政権唯一の将来に向けた実績としたいためか、はたまた企業減税や公務員処遇の維持財源確保に向けて、財界や公労協へのラブコールかは知らないが、マインドコントロールされた財務省信者にさえ見える。

 脱原発論にもマインドコントロールがあるように思える。こちらは高名な文化人が、その知名度を利して脱原発集会などを開いていた。生産活動に直接参加するわけでない文化人とて、エネルギー政策に意見を述べること自体は自由だけれど、経済活動に大きな影響のある政策で、技術的・専門的知識もなく、民衆を扇動するのは如何なものかと私などは思ってしまう。もっとも原発安全神話こそマインドコントロールであったかもしれない。

 ただ、福島原発事故原因は、大地震に大津波そして原発そのものの重大な危険性も勿論あったろうが、時の政府や東電が適切な初期対応を行っておれば、あれほど拡大せずに防げた事故であったかもしれない。歴史は勝者によって作られるというけれど、時の為政者、権力者が自らの過ちを隠蔽するために、その管理の杜撰さをすべて原発そのものに罪を着せて、脱原発を唱え、一般国民の多くをマインドコントロールされた状態にしているとも言える。

 消費税増税に戻って、国に借金が多いことは、財政が破綻するかしないに関わらずいいことではない。しかもその借金の多くは自民党政権時代からの積み上げであるけれど、民主党政権になってさらに膨らんでいる。選挙目当ての公約を少しでも守らんがためにバラマキを行いながら、一方で国家財政の危機を訴えるのは政党の自己矛盾そのものだ。

 消費税増税が本当に必要なら、何度も言うけれど、解散して新たに消費税増税を盛り込んだマニュフェストで選挙の洗礼を受けるべきだ。現在最大野党の自民党は元々消費税増税を訴えている。選挙結果に関わらず、消費税増税は進んでいく公算が強い。問題はプロセスであり、政治と国民の信頼関係にある。これまでの民主党の政権運営からして、この政党の内閣にこのまま消費税増税などの重要法案を進める資格はないように思う。

 新興宗教だけでなく、口先政治家、マスコミ、官僚や文化人の発するマインドコントロールに注意が必要である。
コメント
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