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閑話つれづれパートⅡその3

2009年09月07日 | Weblog
政権交代で日が落ちて(下)

今回の総選挙では、自民党政治の問題点として、弱者切捨てで一部大企業や富裕層は良くなったが、派遣労働者や母子家庭、後期高齢者に生活保護世帯、中小企業に地方とあらゆるところにしわ寄せがゆき、社会的格差が拡がったこと。官僚主導で官僚は国のためというより自分たちの組織を守るために仕事をしている。これは社会保険庁の杜撰な年金管理や厚生省の薬害問題等に現れている。外交においては米国追従で、非核三原則も守られていなかった事実が隠蔽されている。さらに総理総裁が短期間にその任務を放り投げた。

それらの原因の多くは小泉構造改革による行過ぎた市場原理主義にある。郵政民営化は間違いだった。民営化すればすべてが良くなるようなことを言っていたが、結果は全く逆ではないか。

確かに一部当たっている部分もあるかもしれないけれど、それら批判はほとんどが感覚論で、しっかりした世界情勢分析、国内分析による評価とは程遠いと思われる。郵政民営化はこれからで、その果実はまだ青い。経済が悪くなったのは、アメリカのサブプライムローンに端を発したリーマン・ブラザーズの破綻による金融危機で世界的大不況が到来したためで、小泉元首相の構造改革の所為などではけっしてなかろうに。

国の政治を司ろうという者たちが、曖昧な感情論を政争の具にして国民を煽っていいのだろうか。特に小泉改革なかりせば、日本の現状はさらに深刻なものになっていたのではないかと私などは考えるけれど、多くの政治家やマスコミ便乗型評論家諸氏は咽喉下過ぎればで、少し景気が上向いたところでの小泉内閣終焉とともに、緊縮財政の当然の結果を誇大に振りかざした。未だ国の借金は増え続けているというのに。

小泉構造改革は自民党議員の多くも異議を唱えていた。その理由の多くは彼らの権限の下にあった既得権益の失墜にあることと推測される。郵政民営化に代表されるけれど、350兆円とも言われる膨大な資金が財政投融資に流れ、そのおこぼれは多くの政治家や一部官僚OBに流れていたことも想像に難くない。

実は、1999年に財政投融資改革が始まり2001年には郵便貯金の財政投融資への預託は禁止されていた。近年財政投融資の額は相当に削られていた。それでも財政投融資の闇にせまった代議士が、暴漢に襲われて殺害される事件が2002年に起こっている。勿論関連は不明で、こちらも事実は闇の中である。

前回の郵政選挙では、民営化反対自民党議員の離党が相次ぎ、その内紛の後遺症も今回の選挙における自民党の大敗につながったことは間違いない。従来の族議員官僚支配政治を政府主導に切り替え、財政健全化を目指した小泉改革は、内から外からの目先の言い分によってほとんど崩壊した。民主党政権は脱官僚を合言葉に政治家が官僚を統治すると喚いているけれど、結局多くの族議員を新たに誕生させ、「天の声」を方々に生むことになるだけではないのかと思ってしまう。
コメント
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