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ものづくりへのオマージュその10

2008年07月27日 | Weblog
神様降誕

 エチレングリコールプラントの担当になって3年もすると、筆者は職場で「グリコールの神様」と言われるようになっていた。もっとも当時、冷やかし半分以上の洒落で褒め言葉を口にするのが流行っていた。流行っていたというより関西の文化かもしれない。同じ時期、職場で方眼紙を使った五目並べが流行った。NHK大河ドラマ「篤姫」で、篤姫が将軍家定と立派な碁盤で遊ぶ、あの五目並べだ。筆者は五目並べも将棋同様子供の頃から親しんでいたので、考えどころくらいは分る。途端に仲間内では「読みのきよし」となった。その程度の「神様」である。

 しかし、この洒落で褒めるような関西の文化は、筆者が管理職になって大勢の主婦のパートさん達と仕事をした折、大いに役立った。別に洒落で褒めたわけではないが、身についた習慣は自然な形で吐露される。いくら一生懸命仕事をしても、パートの賃金は世間相場を出ず、昇進・昇格などはあり得ない。しかし、文句を言われながら仕事をするのと、褒められながら、「いつもありがとう」と心から言われながら仕事をするのでは気分は180度違う。暗くなりがちな単純な検査作業や、窮屈なクリーンルームでの洗浄作業は、その効率を倍加させてくれた。

 エチレングリコールのプラントは、規模やプロセスの単純性からも工場内で最もオペレーションの容易なプラントの一つであったように思う。ただ、手動操作の部分も多く残されており、単なる監視業務とはゆかず、夜中でも駆けずり回ることが多かった。そんなことで、比較的短期間に諸々のトラブルにも対応できるようになったことが、初心者に毛の生えた神様を生んだ。
コメント
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