伊豆の渓流を考える日々

Fishing club HUSLER 伊豆前戦基地
伊豆の渓流、釣行報告等を書き留める。
渓流オフは海を楽しむ。

大見川・地蔵堂川釣行(2007.08.19)

2007-08-22 | 狩野川水系
 夏休み、kidと彼の釣友のかっちゃんを15日に狩野川水系に連れて行く約束をしていたがMyキャラバンがブレーキトラブルの為に約束を果たせなかった。盆休みが終わりMyキャラバンを修理工場に入れて代車が来たので約束を果たすべくkidを誘っての釣行。かっちゃんは雄登、kidの幼なじみで釣友で有るが途中転校して現在は栃木県に住んでいる。夏休みや冬休みの長期の休みには伊東に住むおばさんの所に長期滞在して伊東での釣りを楽しんでいるのだが、今回は残念ながら地元に帰る日であった為に同行はかなわなかった。

 彼らが希望していたのは冷川もしくは地蔵堂川だった。16日に私が退渓した大見川の少し上流が地蔵堂川との分岐点である。そこで前回と同じ所に駐車して右岸の階段から入ることにする。kidはさっさと仕度を済ませていたので先に行ってもらう。前回全く反応が無かったいかにもな所をやり落差工下もチェックするも今回も反応が無い。落差工上、kidは私が前回2キャッチの右岸側の流れをチェックしていたが、そのまま上らず左岸側の小さな流れをチョイスして遡行。私は右岸側を上るが私はノーフィッシュ。kidは中程で1キャッチの様子で前回私がリリースした魚がそちらへ上ったのでその魚なのかは解らないが、竿抜けなポイントである事は間違いない。
 次の落差工である。ここは今までのより少し高さもあり、下のプールも広い、大場所である。kidは左岸側から私は右岸側からプールにアプローチ。先ずはkidのハスルアーにヒットで大物の感じです。続いて今度は私、立ち位置の正面を一通りチェックしたのでkidがキャッチした魚を計測しているスキに彼の正面に在る白泡へキャスト、クロスで探ると出ました。トラウトチューンが白泡を出てから数トウィッチでヒット。22㎝のアマゴ、ヒレは申し分ないのだが少し痩せている感じの魚でした。今回もデジカメはキャラバンと共に修理工場に置き去りで携帯の画像で上手く撮れてない。後に大物らしき魚のサイズをkidに聞いたら27チョイ㎝あったとの事、素晴らしい。

 釣果を得た落差工を超え上流へ、ここからが試練の旅に成ったのです。落差工と落差工の間がボサ川状態だが魚が潜んで居そうなポイントは随所に在るのに魚が出てこない。kidも同じようである。私はアスリート・トラウトチューン、彼はハスルアー(Fishing club HUSLERのカトールアー)で丹念に探るが出ない。お互い顔を見合わせ「出ないね。魚少ないね。」と溜め息が出る。
 落差工上の瀞場、さもない感じなんで油断してリトリーブしているとまれに小ぶりなのがヒットしたりして、あえなくバラシてな感じでなんとも釈然としないまま、何故か本流筋の大見川よりも支流の方が川幅が広い、地蔵堂川に入り、菅引川出合まで釣り上がった処で諦めて退渓する事にしたのだが、二人ともに最初の大場所以降はノーフィッシュ。その間5~600m位で魚の姿を確認出来たのは二人合わせても10匹に満たないとは、厳しい状況なのか、それとも私達が下手なのか。


 さて、まだ時間があるので次は何処に入ろうかと意気消沈の2人だがまだまだ釣りするのです。次に選んだポイントはイワナが釣れると言われている地蔵堂川の万城の滝より上流である。一度林道を車で上り様子を見たところ、両岸に山葵田が有り川に入るのに厳しそうである。途中から引き返し川沿いの遊歩道から入る事にするが、入りやすい所なので魚に対するプレッシャーが多く苦戦が容易に予想出来、案の定激シブでその上先行者の痕跡がはっきりと見て取れる。それでも小さな魚ですがチェイスはそこそこに有る。そのチェイスの殆どが魚体が細長くうねうねとルアーを追ってくる、これはイワナ?とkidと話しながらしばらく釣り上がると突然kidが「やっぱりイワナですよ。」と叫んだ。私のトラウトチューンにチェイスしてきた魚の姿がはっきり見えたようだ。そこにいる魚がイワナであることはすぐに確定した。同じポイントを通したkidのハスルアーに掛かった魚が画像に写る魚である。

 12㎝位のニッコウイワナ、サイズからして2年目位の魚、ヒレピンでイワナを放流している話は聞かないのでおそらくこの川で生まれたのであろう。
 その後はチェイスは有るものの掛からないが続き。落ち込みの大きなプールではヒレの大きい見るからに大物のチェイスが有った。その魚は色や魚体からしてアマゴのようだが一度だけゆっくりトラウトチューンを追ってきたがそれだけでその後は姿を見せることはなかった。とってもお利口さんである。
 小滝の所で遊歩道は終了、それより上は両岸に山葵田が連なり怪しい動きをすると山葵泥棒と間違われそうである。ポツポツではあるがチェイスが有るものの獲れないまま遡行が続く。チェイスの殆どがイワナ特有のものでアマゴらしきはほんの僅かである。それでも途中の沢が流れ込むポイントでkidがアマゴをキャッチしたが、朱点が崩れボケているやせ細った15㎝程度の魚でなんとも奇妙なアマゴであった。
 そろそろ見切りを付けて退渓しようと考えるが、林道に出れそうな所がなかなか無い、やっと沢の流れ込みから100m位上った所で退渓ポイント発見で退渓と成りました。そこまでもポツポツイワナのチェイスは有るものの獲れずで結果は私は「ボ」、kidがイワナ1、アマゴ1。


 さてさて、もう少しやろうと万城の滝への道を下り、地蔵堂川に架かる橋より少し上流の養鱒場からの排水が流れ込む辺りから入るが、釣友の山本氏が水が悪いと言っていた通り、養鱒場の排水がとっても臭うのでそそくさと上流へ上ったが、kidは排水の落ち口に溜まっている逃げ虹と遊んで30㎝位のレインボウを2つ程獲ったとの事でした。
 排水から上は水が極端に少ない。それでも明らかにアマゴと判るチェイス、残念ながらヒットには持ち込めなかったが、下はアマゴなのねと思うのもつかの間、落差工の溜まりで稚魚のスクール発見でその稚魚トラウトチューンにゆらゆらとチェイスしてくる魚をよく見るとなんとイワナです。サイズは明らかに秋に生まれた1年魚、それも沢山いるではないですか、その上の溜まりにもそのまた上にもイワナの稚魚です。大きな堰堤の所まで上る間にそこそこサイズのイワナのチェイスもあったりイワナだらけ。釣果の方は堰堤まで結局ノーフィッシュだった。

 今回の釣行、帰り道にkidと狩野川水系は既にメジャーな難しい川に成ってしまっていること、地蔵堂川上流はそのうちにイワナの川に成ってしまうと言うよりも既にイワナの川に成ってしまっているようななどと話したのだが、あの数の稚魚たちが育つ数年先が楽しみだねなんて話しもしながら帰宅で終了と成ったのです。


 それにしても地蔵堂川のイワナ、噂には聞いていたがあれほどとは思わなかった。大昔には伊豆の川も源流部にはイワナ、中下流にはアマゴとちゃんと住み分けがされイワナも居たのであろうが近年は自然のイワナは伊豆半島には居ないと言われている。それでも年寄りの釣り師から聞いた話だが天城山中の何処かにイワナが残っている所が在るとか。いずれにしても地蔵堂川のイワナは人為的に入ったものの事は間違いないであろう、ニッコウイワナであることからも解る。しかし、あの数からして個人レベルで放流したものが増えたとは思いがたいし、かつ、稚魚の多さからして相当繁殖しているようである。本当に数年先には「地蔵堂川に尺イワナ釣りに行こう。」に成るような気がする。複雑な気持ちながら楽しみである。