ハハモドキ

19年前、長男の誕生記念に始まり、途中、乳がん闘病記。次男の不登校をきっかけに再開。

こころのクリニック初受診

2023-05-31 23:52:54 | 不登校
14時半の予約なのでさすがに起きてるだろうと思ったが、案の定、行きたくない気持ちが勝っているのか、何度声をかけても手を引っ張っても起きない。

頭に来て、「行かないなら先生連れてくるよ!」とまた脅しめいたことを言ってしまった。効果なし。何を聞いても答えない。意志をもってそうしているというより、本当に寝ぼけているというか意識が混濁しているように見える。目は閉じているがぐるぐる目の玉が回っているのがまぶたの動きでわかる。

どうしようもないのでクリニックに電話して私一人だけでもいいか確認してから伺うことにした。

外出ついでに中学校に行って、洗濯したまま持って行っていない給食エプロンを返そうと探したら、いつもの場所にない。探したらサブバッグの中に制服と一緒に入っており、ハッとした。「この子、学校に行こうとしてたんだ」。

なんだか哀しくなってしまった。

受診の結果。最初からマシンガントーク。超強烈な個性の先生。不登校の理由を尋ねられ、「学校に行っても何の得にもならない」とか「社会に出たら絶対中学校で習ったことなんか役に立たない」「勉強する目的がわからない」等を伝えたら、「いやー素晴らしい!」と。

いまの義務教育のあり方になんの疑問も持たずにただ毎日通っているより、自分の頭でしっかり物事を考えている、と。「息子さんの言うことは正しいです」。「そういう子が日本の将来を支えるんですよ」とまで言ってくれた。もちろんお世辞とか言うタイプじゃないのは話す内容や態度を見ていればわかる。「会いたかったなぁ」とも。

あっくんが正しいと言われる度に涙が出た。

結論としては、一切管理せず、本人の好きなようにやらせるのがいいとのこと。自分で決めさせるのが大事。時間はかかるけどそのうち絶対自分のやりたいことを見つけて外に出て行くから。それまでは求められた時だけ応援してあげればよい。診てきた1500人の子のうち、いまだ引きこもりなのは3人だけ、あとはみんな遅かれ早かれ復学してるらしい。

特にうちの子が行っている中学は進学率が良いので(市立だか超有名高の学区なので他の学区からも転入があるほど)、学区にある県下のトップ校に行って地元の国立大に入ることがベストみたいな価値観があるかもしれないけど、そんなのたいしたことないんだから、と仰ってたのが一番ぐさっと来た。全国的に、世界的に見れば確かにそうなのだ。そんなことずっと思っていたのに、この地に住んで長くなって、私も地域の価値観にどっぷりハマっていて、ついそのコースに子どもを乗せようと思っていた。

あっくんは敏感だから多分それを察知していて、嫌になったのだ。そこに価値を見出せないから。

有名大学を出て一流企業に入っても人間関係でつまずいて休職する人を直近の仕事で死ぬほど見ている。なんか全部つながっているな~。

お母さんが心配するから失敗するのを怖がる、やる気がなくなる、挑戦しなくなる。心配するのをどうしてもやめられないなら、お母さんが治療を受けるべきとのこと(やっぱり言われると思った)。

親のせいで不登校になるわけじゃないけど、親が変わらないと今の状況は変わらない、ということで。

割と即決。とにかく好きにさせることにしました。本人にも帰ってから先生が言ってたことほとんど話した。自分を認めてくれているとわかったらパッと顔が明るくなって「へぇ~面白いね」と言った。14歳の元服だ。

そして食後に超久しぶりにランニングに出た。なにかやれと言われるとやりたがらない、やらなくていいと言うと、やりたがる。私譲りの天邪鬼。

そういえば留守中に一人で練習したらしく、ギターのコードを押さえられるようになっていた。指の痛みよりも、弾きたい気持ちが勝ったんだな。

私の望みは彼が学校に行くことじゃなく、どうか好きな道が見つけてその世界で働いて楽しく生きられますように。それだけだ。

ただ口を出さずに黙って見ていられるか。これからは私が試される番だ。