ハハモドキ

19年前、長男の誕生記念に始まり、途中、乳がん闘病記。次男の不登校をきっかけに再開。

2008/6/15(日)

2008-06-15 09:46:02 | アート・音楽・本
1日に2件ある取材を、いずれもくだらない理由で遅刻して周囲に迷惑をかける夢を見た。明らかに休日の早起きのプレッシャー。

9時、原宿集合。

カズを連れて、東京視覚障害者ランニングクラブの練習を見学に。50歳にして走り始め、先日、山中湖マラソンを完走した知人の望月さんが参加されると知って、元陸上部としてはおおいに触発され。

今日は本当に見学だけするつもりで来たのだが、人が足りないということで、晴眼者として伴走を頼まれた。カズよりも、不安なのは自分。一体、どれだけ走れるのだろうか。それさえもわからない。いきなり知らない人と走るのも気が引けるし、結局、望月さんの伴走をすることになった。

1周目は伴走インストラクターの鈴木邦雄さんに教えてもらいながら4人で走った。基本的には二人三脚の要領で。ロープを持っているほうの腕を振らずに走ると肩が凝るので、なるべく振ってあげること、その際、視覚障害者が走りやすいように、伴走者は意識して外側へ振るように指導された。そして、弱視や狭視野の人はいいのだけれど、全盲者に関しては、ロープを短く持ち、密着感を増したほうが安心感があるとのこと。

ま、いずれにしても、私より望月さんのほうが気を遣ってくれるのだ。疲れたら途中で止まったり、申し訳ないが、こちらのペースで走り通した。計2周。

途中、コースを外れて道を誤らないかが気になって仕方がない私。「えーと、どこを曲がればいいんだっけ?」と独りごとを言うと、望月さんが、「さっきは(曲がるときに)サックスの音が聞こえましたよ。同じ場所で練習しているとは限らないけれど」と仰る。走りながら気をつけて耳を澄ますと、確かにサックスの音色が! そして見えてきた曲がり角。そうだ、あそこだ!!! 教えてもらわなければ、私はサックスの音にさえ気づかなかった。激しく感動してしまったよ。私よりも、見えない目で確実に物事を捉えている。

1周走り終えるごとに、給水ボランティアの方が声をかけてくれる。カズはスポーツドリンクをはじめ、クッキーやキュウリの漬物などをもらい、バリバリ食っていた。そして皆に「よく走って偉いね」と褒められた。

疲労困憊の私たちを見て、別の伴走の方が名乗りをあげてくれた。私よりはるかに年上の女性(情けない・・・)。望月さんは3周目を彼女と走ることに。そして実はもう走る気の無かった私にも声をかけてくれる人があり、また、ゆっくりと付いて行く。最初は張り切っていたカズだったが遂に限界。「もう走れない・・・」と途中でギブアップ。ゆるゆるとふたりで歩く。

1周約1.6kmらしいから約5km。それでもよく頑張ったよ。私も正直きつかった。でも、運動して汗をかくなんて数十年ぶりのこと。すごく気持ちよかった! 11時半前、望月さんとともに挨拶して帰ることに。

屋台の焼きそばを購入し、3人で早めの昼食。道路で演奏するバンドの爆音にカズが「うるさーい!」と文句を言ったが、実は一番うるさく感じていたのは望月さんだったかも。だって、外界を関知する重要な手段だものね、聴覚は。ごめんなさい。

渋谷市場で野菜をたっぷり買って(カズは初めての袋詰めに「まだ入る、まだ入るよ!」と大コーフン!)、重い荷物を持って帰宅。

カズと昼寝。

頑張ったご褒美にとアイスを好きなだけ食べさせたらカズ、案の定下痢に。外出の支度に戸惑う。

事務所にいるダーにカズを任せ、C.C.レモンホール@渋谷へ。もう開演に間に合わないのはわかっている。が、昔のように焦って公園通りを走れない、そして走る気にもなれないことにトシを感じた。

キリンジライブ。決して悪くはなかったが、なんだろうね、あんまり楽しめなかったような複雑な気分は。あ、そっか! スタンディング席じゃなく、おとなしく座って見ていたからかなぁ。ライブのコーラスが真城さんになってから、どうも毎回、違和感があるんだよね。でも、前よりは兄が自分のパートを歌うようになってたかな。「悪玉」で「マイクよこせはやく♪」と兄が歌ったら、全然そんなとこじゃないのに大きな拍手が起こったのがおかしかった。私も内心「いいぞー!」と拍手していたのだけど、おんなじ人がたくさんいたってことだね。あと、「愛のcoda」でも唯一イントロの時点で喝采が。名曲だもんね~、兄曲、人気です。

終了後、別々の場所で見ていたK嬢(元・農場勤務)とそのダンナさんと落ち合う。楽しみにしていた「うな鐵」は、開店時間帯にもかかわらず売り切れで店じまい。皆で口惜しがる。

結局、近くの串焼屋に。ダンナさんが仕事ですぐに抜けてしまったのが残念だったが、久しぶりに子ども抜きでK嬢とおしゃべりを堪能した! 最近、同世代のいろんな人と言い合うんだ、「公務員って最高だよね!」と。若い頃は考えもしなかったことだけれど。あと、私が「あたしはオヤジだから!」と言ったら、「サカウチさんは全然オヤジじゃないッス!」と強く否定したのがおかしかった。「なんで? むしろオトメ系?」と聞くと、うなづいていた。そうでっかー。ま、同じ月齢の子どもを持つ者同士、またダンナさんとも、ゆっくり話しましょうね。

渋谷からタクシーで帰宅。初めてシートベルトを締めてくださいと言われた。おお! そうでした。

キッチンにて。ダーの仕事の件で彼から、浮かれ気分を一気に冷ますような嫌なニュースを聞く。白ワインを飲みながら対応。

両親が揃っていることにコーフンしたカズが全然寝ない。何度も「おしっこ~」と言っては寝室のドアを開けてトイレへと立つ。ふたりでタバコを吸っているから、モクモクなのに・・・。

酔っぱらいを相手にシリアスな話をしても仕方がないと思ったのか、落ち着かないカズを不憫に思ったのか、ダーは早々に「じゃーねー」と言って帰って行った。

私は冷蔵庫に残っていた日本酒に口をつけたが、あまりのまずさに閉口して寝る。

「東京視覚障害者ランニングクラブ」
「アメディア・レポート」