「漢方のお話」

2008年12月17日 | 医療
昨日付で、会派を組んでる民主党の漢方医療小委員会の事務局長になりました。

漢方という言葉は聞きなれてはいるでしょうけど、実際に理解してるかというそんなに多いとは思えません。

自分を振り返っても、漢方医療小委員会のメンバーになるまでは、漢方に関してほとんど理解してませんでしたし、服用する薬も西洋薬が多く、葛根湯ぐらいしか服用した記憶はありません。

漢方薬といったら、中国の薬だと思ってる方も多いでしょうが、生まれたのは中国なのですが、日本に伝来して独自の発展をとげて今日に至っております。

1874年に明治政府が西洋医学の導入を決め、1883年に医術免許規則・医師開業試験規則で西洋医学の修得が義務付けられてからは、漢方医療が衰退していきました。現在では、見なおされ始めた事もあり、医師の86%は漢方製剤を使用しているという事実があります。

現在では海外にも広まり、各国が中長期的な政策や研究機関に対する支援を行っております。ちなみに、アメリカでは国立衛生研究所(NIH)に年間300億円の調査・研究予算を計上しております。これは、癌に対するものよりも多い。

ちなみに、日本では漢方の科学研究費は文科省・厚労省合計で1億9000千万円であります。

このように、海外では評価されて始めてる漢方ですが、日本ではインフラの問題もあるのか、充分とは言えません。

そこで、漢方医療小委員会としては提言という形で中間報告をさせていただきました。

・漢方医学教育の更なる充実、和漢診療外来の拡充に向けた取り組み

各大学における講座設置・必須時間の増加・医師国家試験における漢方医学分野の出題の義務化など

・漢方医療に関する医学的効果の科学的知見の蓄積の為の取り組み

医療経済的効果が期待されるので、経済学者と医療研究者の共同の研究基盤の整備、科学研究費の増額や人員配置上の措置を講ずるなど

列記しませんが、計7項目を提言という形で報告させていただきました。

私自身は、日本独自の漢方薬で世界の薬分野を制する事は可能だろうし、世界が評価をしはじめた今こそ、漢方医学における日本発のグローバルスタンダードを発信していかねばならないと考えております。

その為には我々の「提言」を軸とした、国家戦略が必要です。

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