ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

カティンの森

2011-04-14 | 映画 カ行


ポーランドは1939年9月1日ドイツに、17日にソ連に侵略された。同17日、クラクフから夫のアンジェイ大尉を探しにきたアンナと娘のニカだったが、アンジェイらポーランド将校たちは、ソ連軍の捕虜になっていた。妻と娘の目の前で、彼らは軍用列車に乗せられ東へと運ばれていく。アンジェイは、目撃したすべてを手帳に書きとめようと心に決める。アンナたちは実家に戻り、アンジェイの帰りを待ち続ける。1943年4月、ドイツは一時的に占領したカティン(ソ連領)の森の中で“虐殺された多数のポーランド人将校の遺体を発見”と発表した。犠牲者のリストにアンジェイの名はなかったが、アンジェイがアンナの元へ戻ることはなかった。その後、カティンの森で発見されたアンジェイの手帳がアンナの元へと渡される。そこに記されていたのは…。

カティンの森 2007年/ポーランド/アンジェイ・ワイダ





苦しいです。苦しくて憎くて救われない。
しかも、エンドロールには音楽もなく、ただ苦しさだけが残る映画でした。
こんなことがあったの?と、知らなかったことに申し訳なさを感じました。
でも、去年(だったかな?)、ポーランドの首相が乗った飛行機が墜落したというニュースは覚えていたので、その時に、もっと調べてみればよかったな~と思いました。

それにしても、酷いですね~、ソ連。
ある意味、ナチスよりもアクドイかもしれませんね。
自分たちの罪をナチスのせいにしていただなんて、本当に狡くてセコイ!

曲がりなりにも(?)不可侵条約はどこいった?と思わせるソ連。
なるほど、どさくさに紛れて北方領土を盗んだ国だなと無意識に頷いてしまう自分がいて、やっぱり信用できない国だと改めて思いました。

その狡さは決して昔の話・・・でもなくて、東日本大震災直後に、ロシア戦闘機が日本領空に侵入してきそうだっただの、メドベージェフ大統領は、人道支援として、シベリアなどの極東地域で雇用を提供する準備があるなどと、日本人の感情をもてあそぶかのような発言をしたりと、到底、人道的とも善意とも思えないこれ見よがしの発言に、本当に残念だけどやっぱり信用できないと思ってしまいます。


さて、この年のアカデミー賞外国語映画賞は『ヒトラーの贋札』でした。
『カティンの森』もノミネートされていましたが、オスカーは獲れませんでした。
『ヒトラーの贋札』もよかったですが、世界中の人に観てもらいたいという意味と、アンジェイ・ワイダ監督の心情を思えば、ぜひとも受賞してもらいたかったなと思います。

アカデミー会員はどこに重きを置いたのかは判りませんが、冷静になってみるならば、まとまりがなかったようにも思います。
淡々と事実だけを追っているところや、ラストのソ連によるあまりにも残酷な処刑シーンには、賛否があるだろうなとも思いました。
ただ、アンジェイの遺品が戻ってきて、彼の日記から全てが明らかになるという展開とクライマックスは、映画的な要素と監督の強いメッセージとが表現されていて、本当に苦しい映像ではありましたが、私は監督の苦しみや憎しみを受け止めるべきだと感じました。


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