祝 朝吹真理子さんの受賞

朝吹真理子さん（26才）が第144回芥川賞を受賞されました。まだ慶応大学の大学院生で、デビュー3作品目の初候補での受賞です。暗い時代は、ヒーロー・ヒロインを求めます。苦労の末の受賞も感動を呼びますが、サラブレッドの若きヒロインにも強い憧れを呼びおこす力があります。

朝吹真理子さんの父は仏文学者の朝吹亮二氏、祖父は仏文学者の朝吹三吉氏。朝吹三吉氏の妹である朝吹登水子さんも仏文学者で、フランソワーズ・サガンの翻訳者として著明です。フランソワーズ・サガンの＜悲しみようこんにちは＞をわくわくしながら読んだ青春の思い出あるだけに、＜朝吹＞という名字に強い親近感を覚えます。

朝吹真理子さんの才能を生み出したのは本人の努力以外に、優れたＤＮＡがあるのでしょうか、優れた環境のお蔭でしょうか？世襲で稼業を継承するのとは対極で、実力で学者・文学者・作家が生み出される因子に興味が湧きます。言葉のひとつひとつに異常なまでの＜こだわり＞を感じさせる彼女のインタビューを聞いて、私とは言葉への感性が全然違うことだけは判明しました。