
二本松市の道の駅ふくしま東和に寄り、有機農家の菅野正寿さんと待ち合わせ。新潟大学に実験田として提供している田んぼを見学させていただいた。
二本松の菅野正寿さん
共著:小出裕章、明峯哲夫、中島紀一、菅野正寿(出版コモンズ)
二本松市東和地区は、約900メートルの山を隔てて、川俣町山木屋地区、飯館村と隣接している。あのとき風向きがもっと西向きだったら、この東和地区も避難区域になっていた。そしてこの里山にも放射性物質は容赦なく降り注いだ。
当初、耕すのをやめる農家が続出する中、菅野さんは耕してみなければ危険も安全もわからない、とにかくあきらめずに耕そうと呼びかけた。
いち早く、関西メーカーから10台の計測機が寄せられた。まずは自分たちの畑の空間線量を測ることからスタート。日本有機農業学会、新潟大学などの教育研究機関の協力を得て、根気強く調査を続けていった。
その結果、有機質の土壌はセシウムを吸着して植物に移行しにくいことが分かってきた。2012年秋、福島県の全袋検査では、玄米で99.8%の米が25ベクレル/kg以下という結果だった。野菜類も95%以上が不検出(検出限界値10ベクレル/kg)。
子や孫たちのために、菅野さんの挑戦は続く。
『それでも希望のタネをまく~福島農民2年目の試練』
(2013年2月3日放送、テレビユー福島)公開中
http://www.youtube.com/watch?v=FfTe9uuK1sM&feature=plcp
菅野さんの畑の「赤い唐辛子」「白なす」色といい勢いがある。
30年近く有機農業で土作りに励んできたことに自信を深めた菅野さん。しかし客は離れ、売り上げは5割~6割の落ち込み。
福島農産物の売り上げは、震災直後より3年目に入ってからの方がひどい。「支援」「応援」の段階から「東電の補償があるでしょう」と値をたたかれている。数値が下がってNDになっても売れない。
もはや農家の努力だけでは限界だと、菅野さんらは東京に店をオープンさせた。
ふくしまオルガン堂下北沢→http://www.farm-n.jp/yuuki/organ/
今は採算は合わなくても、
・新しい消費者との「顔の見える関係」が生まれる
・農家のやる気を維持できる
・新しい未来を見すえて頑張れる
そうやって歯を食いしばっている。
菅野さんら、福島有機農業ネットワークの方達は、11月23日「福島オーガニックフェスタ(ビックパレット郡山)」を開催する。
「農家は、米や野菜をつくるだけではない。黄金色の棚田の風景も人と人とをつなぐ心も育んでくれるのだ。」首都圏の人と楽しい時間を過ごしたい。お待ちしています。と。
一緒に育てるものがある。
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