奇抜な異形のシーンがずっと続きます。
「恐山」「母殺し」「家出」など寺山特有のテーマが取り上げられ、自伝的要素が見られるものの作為的な箇所も多い作品です。刊行された同名の歌集からの短歌が、映画の中で何度も朗読されます。
恐山の麓の村で母と二人で暮らしている中学生の私(高野浩幸)。父親はいません。唯一の楽しみはイタコに父親の霊を呼び出させ、会話をすること。隣には他所から嫁入りした若い人妻(八千草薫)が住んでいて、意中の人です。
ある日、村にやって来たサーカスへ遊びに行った私は団員から外の世界の事を聞かされ、憧れを抱きます。生活に嫌気がさしていた私は家出を決心し、同じように生活に飽いている隣の人妻と共に村を離れる約束をします。駅で待ち合わせをし、線路にそって歩く二人。
不意に映写終わります。ここまでは、映画監督となった現在の私が制作した自伝映画の一部でした。試写会が終わって、ある評論家(木村功)と一緒にスナックへと入った私(菅貫太郎)は、「もし、君がタイムマシーンに乗って数百年をさかのぼり、君の三代前のおばあさんを殺したとしたら、現在の君はいなくなると思うか」と問われます。
質問の意味をつきつめた私は、少年時代の自分自身に出会います。少年の私は、映画で描かれた少年時代は脚色されていて真実ではないと言い放ちます。そして本当の少年時代が語られると・・・。
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