シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

イヴ・アレグレ監督「狂熱の孤独(原題:Les orgueilleux)」(フランス、1953年、110分)☆☆☆☆

2023-08-06 22:54:36 | フランス
 
「花咲ける騎士道」のジェラール・フィリップが主演。「霧の波止場」「田園交響楽」のミシェル・モルガンがネリィ役を演じています。

サルトルの小説「ペスト」がベース。設定の舞台は、メキシコのあるさびれた漁村に変えられています。

酒浸りの元医者と未亡人の絶望、そして再生を描いたヒューマンドラマです。

この村へ休暇旅行に来たフランス人、トムが突然吐気に襲われます。伝染性の脳脊髄膜炎でした。看病のかいなくトムをあっけなく亡くなります。

一人残されたのはトムの妻ネリィ(ミシェル・モルガン)。持金がいつの間にか盗まれ、帰国もままなりません。宿屋の主人ドン・ロドリゴは彼女に執拗に言いより、住民たちが好奇の目を向けます。

酒に溺れ、だらしない生活を送る元医師の男ジョルジュは(ジェラール・フィリップ)は、見知らぬ土地で途方に暮れるネリィを慰め、世話を焼きます。

伝染病が蔓延するなか、ジョルジュはワクチンも打たず、患者の世話を続けます。やがてネリィは彼が自暴自棄になっている理由を知るうち、次第にその人間性にひかれていきます。

疫病はひろがる一方。患者は聖器庫からあふれ、村が隔離されます。
ネリィは復活祭の前日、現在の心境を懺悔し、これからの生活が気にかかること、ジョルジュに心を惹かれることを告解しますが・・・。
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