本作品製作の起点は、1993年に北海道・芦別市でスタートした「星の降る里・芦別映画学校」です。この学校は芦別市役所観光課の職員・鈴木評詞が大林監督への映画学校の設立と協力の直訴が実って設立されました。
鈴木は15歳の時に、大林監督の映画に接して感激し、以来、監督に芦別映画学校を育てて欲しい、との夢をいだいていました。映画学校設立はなったものの、当初、経営がうまくいかず、軌道に乗ったのは、1997年に鈴木が36歳の若さで亡くなった後のこと。
鈴木は本作品を観ていません。残念なことです(本作品の冒頭に、大林監督を招聘した鈴木評詞に対する献辞があります)。
舞台は北海道芦別市。95歳で亡くなった一人の男・鈴木光男(品川徹)の葬儀のため、久しぶりに親族たち(冬樹[村田雄浩]光男の孫で札幌在住;春彦[松重豊]光男の孫で冬樹の弟、泊原発に関わる仕事をしています;節子[柴山智加]春彦の妻。清水信子[常磐貴子]の秘密に気づきます;田中英子(左時枝)光男の妹で稚内在住;カンナ[寺島咲]光男と同居していた光男の孫、光男の次男(故人)の長女で芦別総合病院の看護師)が集まります。
「なななのか=四十九日」までの間、過去(敗戦)と現在、生者と死者とが複雑に交錯しながら、光男の青春時代と初恋、そして敗戦後の樺太での凄絶な青春体験が明らかになります。
大林ワールドを堪能しました。
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