監督の自伝的作品です。舞台は冬の蓼科高原、広島。
初老の作家(小林桂樹)は、子どもの頃の自分(山中一希)を回想します。家族は父(財津一郎)、母(乙羽信子)、兄(川道信介)、2人の姉(園みどり、若葉しおり)。
家族は先祖から継いだ田畑を保有し、それなりに裕福です。懐かしい思い出が目に浮かびます。楽しい正月。母との峠越え。海水浴。
しかし、父は他人の借金の保証人となり、会社をたたむことになります。このことが、一家離散の原因となります。
返済のために家族は父に土地を手放すことを勧めますが、頑として聞き入れられません。それに我慢ができず、兄は親子げんかの末、家を出て行ってしまいます。
どうにも立ちゆかなくなり土地を売り、その場をしのぎますが、焼け石に水。借金は増え続けます。上の姉は家計を助けるため、アメリカ移民と結婚します。
母は家が残っている間に兄を結婚させようと、屋敷で盛大な婚礼を執り行います。しかし、ついに家を手放す日が・・・。
「ハルさん、ご飯じゃけん、早うかえりんしゃい」、母の声が老人の胸中にこだまします。
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