19才の少年兵アリョーシャの物語です。原題は「兵士のバラード」。
通信兵として前線に赴き、初めての戦闘で敵の戦車二台を炎上させる手柄をたてた少年兵アリョーシャ(ウラジーミル・イワショフ)は、一躍英雄となり褒賞として六日間(往復四日、故郷の家屋の屋根修理で二日)の休暇を許されました。
その四日間の出来事です。アリョーシャは早く戻って母が住む家屋の屋根修理をしてあげたいと必死です。しかし、途中で予期できない思わぬことが次々と起こります。
途中の駅で女の子シューラ(ジャンナ・プロホレンコ)が乗って来て、自己紹介をし、配給品を一緒に食べたりしているうちに、二人はしだいに心が打ち解け、仲良くなっていきます。しかし、二人の運命は?
故郷にあと十㌔あまりに近づいたところで列車は砲撃にあい、大破され、火災がおこります。アリョーシャは子どもたちの救出にあたります。
トラック運転手に同乗させてもらい、漸く故郷についた時には屋根の修理のいとまは全くありませんでした。アリョーシャは野良仕事から駆けつけた母としっかり無言で抱き合い、おみやげのスカーフをわたします。
独ソ戦のさなか、一少年兵の休暇の出来事、人間性を素朴に訴えて感銘を与えた佳品です。監督のチュフライは、ヒロイズムを基準に人間を測るのではなく、戦果をあげた少年が普通の優しい思いやりの心を持った純朴な人間であるのだということだけを描き、人々の共感をえました。
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