原作は尾崎士郎による同名の長編小説。三州・吉良(現・西尾市吉良町)から上京し、早稲田大学に入学した青成瓢吉の青春とその後を描いた長編。1933年に都新聞に「青春篇」が連載され、1959年までに「愛慾篇」「残侠篇」「風雲篇」「離愁篇」「夢幻篇」「望郷篇」「蕩子篇」が発表されました。さらに、1960年(昭和35年)5月に「蕩子篇」が新潮社から刊行されています。
本作品は「青春篇」「愛慾篇」「残侠篇」がべースです。
大正7年、早稲田大学で赤貧の学生生活を過ごす青成瓢吉(永島敏行)にとって、故郷、三州吉良はいろいろな想いがつまったところ。没落したとはいえ矜持を失なわない父、瓢太郎(三船敏郎)や侠気の男、吉良常(若山富三郎)の心意気、おりんとの初恋、など。
入学した瓢吉は吹岡(奥田瑛二)や横井(平田満)たちと交友を深め、大隈重信夫人銅像建設反対運動に端を発した学生運動に熱をあげます。恋人であるお袖(松坂慶子)と知り合ったのはこの頃。
しかし学生運動は内部分裂を生み、嫌気がさした瓢吉は大学を退学。
その頃、横浜・本牧の侠客、飛車角(松方弘樹)は女郎おとよ(中井貴惠)といい関係になり、彼女の身受け話に加担します。ふたりは横浜開港60周年の港祭りの夜、足抜けを決行。
作家を目指す瓢吉、吉良常の生き方とその顛末、父のピストル自殺、おりん(叶和貴子)との再会、飛車角とおとよの運命、ストーリーは急転回します。
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