舞台は秋の気配が立ちこめる蓼科高原、湯ノ原温泉界隈、ときどき軽井沢です。
しっとりした落ち着きのある作品です。園子役の藤村志保さんは炎のように燃えた過去の恋を、おさえたセリフと演技で表現して見事です。
ある若い女性新聞記者が苦労して、亡くなった自分の父親が過去に愛した女性とめぐり逢い、抱いていた不信を払拭していく物語です。
新聞記者の佐々木明子(沢口靖子)は、取材で蓼科を訪れました。「縄文のヴィーナス」の取材の仕事というのが名目でしたが、そこに行くと以前から探している人に会えそうな予感をもったからです。彼女は父の遺品を携えて出かけます。
現地で明子はホテルの支配人(栗塚旭)の案内を得て、無藝荘(小津安二郎監督が仕事場として使っていた別荘)の守役の吉岡園子(藤村志保)に偶然に出会います。そのことが亡き父の過去を追う切掛けになります。
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