同様のタイトルで、映画史上に燦然と輝く作品、ルイス・マイルトン監督「西部戦線異常なし」(1930年)があります(原作はレマルクの長編小説)。
G. W. パブスト監督の本作品は知名度で「西部戦線異常なし」に劣るものの、その内容はリアリズムに徹し、充実しています。
舞台は欧州大戦が終りに近づいた1918年のフランスのある村、そして西部戦線。
その村にある一軒屋に、カール(グスタフ・ディースル)、中尉、ババシア人、学生の四人のドイツ兵士が駐屯し、陽気に騒いでいました。なかの一人、学生兵士はその家の娘イヴェットと恋仲です。
そこは西部戦線から離れていたものの、時々砲弾が飛ぶ音が聞こえます。しばしの休養後、彼らはドイツ軍の戦線(塹壕)へ召集されます。戦線に配置されると、間もなく敵の襲撃を受け、味方の砲兵から射ち出した砲弾が炸裂し、カールたちは生き埋めになります。
辛うじて救い出され、中尉が砲兵へ着弾標準の修正を電話で伝えますがつながらず、伝令犬も殺されます。仕方なくカールが伝令となり、死を賭して連隊本部へ。
彼はその足で、恋しい妻の家を訪ねます。故郷の町は窮乏の極に達していました。
結婚してわずか三ヶ月の生活で出征し、別れてから8ヶ月も逢わない妻にの顔を見ようとカールは期待に胸を膨らませますが・・・。
終盤、戦線での戦闘シーンがリアル。1930年にこの映像を撮れたのは凄いです。
ラスト、激しい戦闘を経ると、狂気がカールを襲い・・。
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