時代設定は、大戦間。
世界制覇を画策するトメニア国の総統ヒンケル(チャールズ・チャップリン)がユダヤ人抹殺,自由の国オスタリッチ侵略をねらい,バクテリア国の独裁者ナバロニと覇権争いをしていたおり,ユダヤ人の床屋がヒンケルとすりかわり,最後にこのユダヤ人が独裁政治との決別と民主主義の勝利を演説するという物語。
ナチスの独裁政治を風刺し,その台頭の危険性を訴えた作品である。登場人物のヒンケルはヒットラーであり,ナパロニ(ジャック・オーキー)はムッソリーニを、ヘリング元帥(ビリー・ギルバート)はゲーリングを,ガービッチ内務大臣(ヘンリー・ダニエイル)はゲッペルスをもじっている。トメニア国の紋章はダブル・クロス,裏切りを意味する。トメニア語は、ドイツ語をまねたもの。
ラストに有名な大演説がある。ヒンケルとすりかわったユダヤ人理髪師が喋るという設定であるが,形相は生のチャップリンその人である。