シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

山本薩夫監督「華麗なる一族」(製作・芸苑社、配給・東宝、1974年、211分)☆☆☆★

2020-12-23 11:51:10 | 日本・1970年~


山崎豊子による同名の小説の映画化です。

政財界にまたがる富と権力をめぐる人間の野望と愛憎を、大富豪の銀行家一族の閨閥(けいばつ)に焦点を絞って明るみにした作品です。

阪神銀行の頭取・万俵大介(佐分利信)は、関西財界にその名をとどろかせる万俵一族の中心人物です。子息を次々と政財界の大物と結婚させ、その勢力を広げていました。人脈の形成は、磐石なものとなりつつありました。

そうは言っても、金融再編成がさわがれる中、大介の心中は穏やかではありません。そこで、彼は預金第10位の自行を他行と合併させる一手をもくろみ、長女・一子(香川京子)の夫である大蔵省主計局次長・美馬(田宮二郎)から極秘情報を得ます。

こうしたもくろみの下工作で辣腕をふるっていたのは、長く家庭教師兼執事を務める高須相子(京マチ子)です。

しかし、一族の歯車は徐々に狂い始めます……。
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高畑勲監督「火垂の墓」(製作・スタジオジブリ、配給・東宝、1988年、88分)☆☆☆

2020-12-23 11:25:31 | 日本・1980年~


野坂昭如による同名の直木賞受賞小説のアニメーション映画化です。戦災孤児の兄妹のあまりにも悲劇的な運命が描かれています。

舞台は終戦間近の神戸。

昭和20年、夏。父が出征中のため母と3人で暮らす14歳の清太と4歳の節子の兄妹。ふたりは、B29の空襲によって焼け出され、母を失い、遠縁に当たる未亡人宅に身を寄せます。しかし、次第に邪魔者扱いされます。

耐えきれなくなった清太は節子を連れて家を飛び出します。二人は川辺の横穴豪へ住みつきます。水入らずで、ひもじくとも楽しい生活。食べものといえば、川で取れるタニシやフナ。電気がないので、明りには瓶につめた蛍の光です。

しかし、この生活は束の間、食糧が尽き清太は畑泥棒で食いつなぎますが、幼い節子の体は栄養失調のため日に日に弱っていきます。
昭和20年の夏、終戦。二人は・・・。
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