バレエ映画の主役トニー・セルゲエフ(ミハイル・バリシニコフ)と彼を取巻く女性たちに焦点を絞り,練習段階から本番にいたる経過をモチーフに描いた作品。バレエは「ジゼル」。ジゼルを踊るのは彼の恋人だったフランチェスカ。アルブレヒト役はトニーである。森の女王役はナディン。映画撮影はローマという設定で,映画出演のためにリサ・ストラッサー(ジュリー・ケント)が現地入りするシーンでこの映画は始まります。
ストーリーにはあまり起伏がなくやや単調ですが,終盤,アルブレヒト役のミハイル・バリシニコフ,ジゼル役のアレッサンドラ・フェリ,女王役のレスリー・ブラウンが踊りをたっぷりと披露しているので,バレエ映画として楽しめます。また,練習風景で登場人物の解釈や演技の仕方などで役者たちが意見をぶつけ合うシーンが何箇所か出てきます(ジゼルの母親役を演じるムリエルがトニーとが,母親が狂っているかどうかで,意見を交わす場面など)。役者たちがしのぎを削って作品を完成させていく過程がみえ、興味深いです。