シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

ハーバート・ロス監督「ダンサー(Dancers)」(アメリカ,1987年)☆☆☆☆

2020-12-17 23:23:35 | アメリカ・1980年~


バレエ映画の主役トニー・セルゲエフ(ミハイル・バリシニコフ)と彼を取巻く女性たちに焦点を絞り,練習段階から本番にいたる経過をモチーフに描いた作品。バレエは「ジゼル」。ジゼルを踊るのは彼の恋人だったフランチェスカ。アルブレヒト役はトニーである。森の女王役はナディン。映画撮影はローマという設定で,映画出演のためにリサ・ストラッサー(ジュリー・ケント)が現地入りするシーンでこの映画は始まります。

ストーリーにはあまり起伏がなくやや単調ですが,終盤,アルブレヒト役のミハイル・バリシニコフ,ジゼル役のアレッサンドラ・フェリ,女王役のレスリー・ブラウンが踊りをたっぷりと披露しているので,バレエ映画として楽しめます。また,練習風景で登場人物の解釈や演技の仕方などで役者たちが意見をぶつけ合うシーンが何箇所か出てきます(ジゼルの母親役を演じるムリエルがトニーとが,母親が狂っているかどうかで,意見を交わす場面など)。役者たちがしのぎを削って作品を完成させていく過程がみえ、興味深いです。
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クリス・ワイツ/ポール・ワイツ監督「アバウト・ア・ボーイ(About a Boy)」(英・米・独・仏、2003年、100分)☆☆☆★★

2020-12-17 20:54:49 | イギリス


ニック・ホーンビィの同名小説の映画化です。何の変哲もないタイトル(原題)ですが、中身は充実しています。

わたしが好きな俳優、ヒュー・グラントが主演なので観ました。独特のキャラクタです。

親の遺産で暮らす38歳無職のウィル(ヒュー・グラント)は気ままな独身生活を謳歌しています。「責任感」が不足していて、家族には疎まれています。

しかし、情緒不安定の菜食主義者の母親と2人暮らしのイジメられっ子、12歳のマーカス(ニコラス・ホルト)と出会ってから、人生観が変わっていきます。ざっくり一言でいうと、その様を描いた作品です。

舞台はノース・ロンドン。

きっかけは、片親が互いに励ましあうグループにウィルが参加したことです。スージーという女性とデートの約束を取り付けますが、デートに彼女の友人で精神不安定なフィオナの息子マーカスも一緒でした。

マーカスはフィオナと自分を支えてくれる人をもとめ、ウィルを頼ります。そして、放課後、毎日のように、ウィルの家に遊びに来ます。このあたりから、ウィルの人生行路が徐々に変わっていくのでした。しかし、その歩みは、なめらかに進みません。
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行定勲監督「北の零年」(2004年、168分)☆☆☆★

2020-12-17 10:52:53 | 日本・2010年~


庚午(コウゴ)事変に絡む処分で、明治政府の命により徳島藩・淡路島から北海道静内へ移住した稲田家と家臣の者たちの物語です。

庚午事変というのは、明治3年5月に徳島藩淡路洲本城下で洲本在住の蜂須賀家臣の武士が、筆頭家老稲田邦植の別邸や学問所などを襲った事件です。蜂須賀氏側の者は切腹や流刑、稲田氏側は北海道への移住を命じられました。

舞台は北海道の静内。

ときは明治4年。小松原志乃(吉永小百合)は稲田家の家臣一同とともに、先遣隊として静内にいた夫・英明(渡辺謙)のもとへ向かいました。一同は、静内の地を開墾すれば、そこは稲田家の領地となるという政府の言葉を信じていました。厳しい冬に苦しむ者たちに救いの手をさしのべたのは、アイヌのモノクテ(大口広司)とアシリカ(豊川悦司)でした。

最初の冬を越え、稲田家当主が到着します。ところが廃藩置県(明治4年7月14日(1871年8月29日))によって移住命令が反故になります。置き去りにされた一同は、それでも英明の檄のもと開拓に夢を託しますが、作物はなかなか根付きません。

状況を打開するため札幌へと向かった英明は消息不明になります。残された一同は?
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