大人のコメディタッチのおとぎ話です。舞台は恋の街、パリ。
チェロ演奏を練習中のパリ娘・アリアーヌ(オドリー・ヘップバーン)は、私立探偵の父シャヴァス(モーリス・シュバリエ)の娘です。
妻の浮気調査を依頼したX氏はシャヴァスの撮った写真を証拠に、アメリカの実業家・フラナガン(ゲイリー・クーパー)の滞在しているリッツホテルの一室に「ピストル」をもって押しかけます。
父親に依頼にきていたX氏の話を盗み聞きしたアリアーヌは、機転をきかせフラナガンの愛人とすりかわり、窮地をすくいます。もて男のフラナガンは、アリアーヌに興味を示します。
一方アリアーヌはフラナガンに自分を大きくみせようと、自身の恋の遍歴、恋人の名前を披瀝します。彼女の話は探偵である父親の書類から盗み見したものでこさえた狂言でした。しかし、フラナガンは若い彼女の虚勢をはった魅力に惑わされ、妄想に陥ります。思いあまってフラナガンは、彼女の父親シャヴァスに調査を依頼。調査の結果は・・・。
ラストシーン、パリから去るフラナガンが乗った列車が動き出し、それをアリアーヌがあいかわらず恋人の存在を叫びながら懸命に追いかけます。そして、「エー、こんなことになる?」のかと驚きです。観たことがある人は、おわかりでしょうが。
この作品には最初からフラナガンお抱えのカルテットが要所要所で「魅惑のワルツ」を演奏し、そのタイミングがよくおかしいです。