舞台は1994年の札幌市。
昨夜、日本テレビで放映されていました。渡辺一史によるノンフィクション作品(2003年)の映画化です。いい映画でした。
幼くして進行性筋ジストロフィの難病を患いながら、ボランティアの助けをかり、強く明るく生きた鹿野靖明さん(2002年に42歳で亡くなりました)の闘病生活と仲間(ボランティア)との交流を描いた作品です。
鹿野さんは体を動かせないうえ、人工呼吸器の使用で痰の吸引を24時間必要としました。それを支えたのは、多くのボランティアたちでした。
タイトルの「こんな夜更けにバナナかよ」は、鹿野さんに夜更けにバナナを買ってきてくれ、と頼まれたあるボランティアの胸中をよぎった想いです。患者はひとりでは生きていけないので、欲求をみたすには人の手をかりなければなりません。しかし、それは時に身勝手、わがまま、になることもあります。
患者は他人の手助けが不可欠ですので、何でも人に頼む「勇気」が必要です。そして患者もボランティアの手助けを思いやる気持ちが大事です。
鹿野さんを演じたのは、大泉洋さん(大泉さんはわたしの前任校・北海学園大学出身です)。ボランティアには北海道大学医学部の学生・田中久(三浦春馬)、その彼女・安堂美咲(高畑充希)他多数です。靖明さんの母親役はジャズ歌手の綾戸智恵さん、です。他に佐藤浩市さん、原田美枝子さんの重鎮。
この7月に亡くなった三浦春馬さんが好演です。合掌。
北海道大学中央ローン、クラーク会館、勤医協西区病院などが映し出されていました。