シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

浦山桐郎監督「キューポラのある街」(1960年、99分)☆☆☆☆

2020-11-18 10:21:49 | 日本・1960年~


「キューポラ」は銑鉄溶解炉です。川口市は江戸時代から鋳物の町として栄えました。昭和に入って旧来の鋳物工場は衰え、代わって新型の設備を備えた工場がこの地域にも浸透してきます。

石黒辰五郎(東野英治郎)は、鋳物職人です。職人気質一途に働いていた炭たき人です。この辰五郎の貧しい家族の生活が、この映画のテーマです。辰五郎の家は妻トミ(杉山徳子)、中学三年生の長女ジュン(吉永小百合)、小学6年生の長男タカユキ(市川好郎)、次男テツハルの五人家族。辰五郎がある日、突然、工場を解雇されました。

タカユキの家出、タカユキと父親が朝鮮人であったサンキチとの交流、タカユキがチンピラにインネンをつけられたことを知って談判にむかうジュン、貧しさゆえにパチンコ屋でアルバイトをするジュン。修学旅行をあきらめたジュン。

学校に行かなくなったジュンを、野田先生(加藤武)はとくとくと説いて教室につれもどします。

やがて石黒家にも春がめぐって来ました。辰五郎の再就職が決まり、ジュンは昼間働きながら夜間高校に行くことを決意します。石黒家には久し振りの笑顔が戻りました。

吉永小百合さんが生き生きと演じています。骨太の映画です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする