シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

中村登監督「塩狩峠」(1975年、103分)☆☆☆★★

2020-11-17 21:24:47 | 日本・1970年~


三浦綾子原作の同名の小説を映画化したものです。この作品は、北海道の塩狩峠で明治42年2月28日に実際にあった列車事故をもとに創作されたもの。この事故は名寄から札幌に向かっていた汽車が塩狩峠をのぼりはじめ、頂上あたりにさしかかったころ、突然、最後尾の車両がはずれ、逆走したことで起こります。この車両にのっていた長野信夫(当時、旭川運輸事務所庶務主任)は、乗客を自らの死を賭し救いました。30歳の若さでした。

信夫(中村誠也)は東京の本郷でキリスト教嫌いだった祖母のもとで育ちますが、後にキリスト教徒だった実母(岩崎加根子)と再会し、影響を受けます。

信夫はその後、札幌の運輸会社の貨物係をしていた友人・吉川(長谷川哲夫)を訪ねます。そこで、肺結核とカリエスで床に付していた幼馴染の吉川の妹ふじ子(佐藤オリエ)と再会。ふじ子は、病と闘う日々でした。信夫はふじ子をたびたび訪れ、励まします。二人に愛が芽生え、信夫はふじ子に想いを打ち明けます。

ふじ子はしだいに回復し、一人で歩けるまでになります。信夫とふじ子は将来を誓い合います。事故のあった日はふたりの結納の予定日で、信夫はその朝、名寄を出発したのでした。
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