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ハリストス正教会司祭、北千島アイヌ民族を供養 中標津訪問

2014-08-24 | アイヌ民族関連
北海道新聞 (08/20 16:00)
 【中標津】函館ハリストス正教会のニコライ・ドミートリエフ司祭(55)と妻の山崎瞳さん(55)が19日、上武佐ハリストス正教会を訪れ、色丹島から戦後、道東に引き揚げてきて同教会に眠る北千島アイヌ民族の信徒を供養した。
 北千島のアイヌ民族はウルップ島以北からカムチャツカ半島南部に居住。ロシア正教を信仰していた。1875年(明治8年)の樺太・千島交換条約で日本国籍を選んで北千島に残留した97人は84年に日本政府により色丹島に強制移住させられたが、慣れない風土で多くが病気にかかり死亡。敗戦直後の旧ソ連による占領を経て、北海道などへ再移住を強いられた。
 山崎さんは昨年参加した北方領土ビザなし交流で色丹島を訪問。信徒だった北千島アイヌ民族の歴史が風化していることに危機感を抱き、教会として文献に残そうと調査を開始した。
 2人は上武佐教会を担当する釧路ハリストス正教会の内田圭一司祭の案内で、旧ソ連軍侵攻の際に信者が色丹島から運び出したという、祭壇前に納められた高さ約10センチのキリスト像を確認。像は右手首の先がなくなっており、引き揚げ時の混乱と苦難に思いをはせた。
 町内在住で伝教者の妻の村上道子さん(91)からは、上武佐教会を頼って移住した北千島アイヌ民族の話を聞き取った。1972年に78歳で亡くなった田中キヌさんが色丹島出身のアイヌ民族最後の人とされており、山崎さんは「北海道や樺太のアイヌ民族と違って、当事者がすでにいないので実際に交流のあった村上さんの話は貴重だった」と話し、ドミートリエフ司祭は「供養ができたのは大きな喜び」と語った。
 上武佐教会の納骨堂には、田中さんら数人の北千島アイヌ民族の遺骨が納められており、2人は感慨深げに祈りをささげた。
 20日には弟子屈町内にある北千島アイヌ民族の墓参りを行い、21日には根室市内の施設で関係資料を収集する。(伊藤美穂)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/557905.html
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