先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

【いつもそこに 藻岩山物語】(1)自然の植物園 クマにも言い分あり

2012-05-01 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2012年04月30日

 「藻岩山にクマが出るのは仕方ないじゃないですか。クマにも言い分はあります」
 元北海道大学教授(植物生態学)で北海道環境財団理事長の辻井達一さん(81)=札幌市中央区=は、そう言った。
 4月後半、藻岩山の南側斜面の住宅地近くでヒグマが現れ、騒ぎになった。自然歩道(登山道)の入り口が一時閉鎖されたり、山頂の展望施設は「外へ出ないように」と呼びかけたり。小学生は集団で下校した。
 結局、ヒグマはハンターに射殺された。しかし、観光施設が40年ぶりに全面改修され、開業したばかりだっただけに関係者は「野獣の脅威」に頭を抱えた。
 「人口100万以上の都市で、クマが出るのは世界でも札幌くらい。それだけ藻岩山周辺に自然が残っているということですよ」と辻井さんは力説する。
 クマが出る少し前に藻岩山を歩いた。都心から車で約20分、最もポピュラーな慈啓会病院側登山口に到着。登山道をしばらく歩くと、足元をエゾリスが駆け抜けた。頭上からはアカゲラが木をつつく音が聞こえた。稜線(りょうせん)に上がると、見えたのはビルの海だった。
 この豊かな生態系を世界に紹介した米国人植物学者がいる。チャールズ・S・サージェント博士だ。博士の教え子だった北大の宮部金吾教授らの熱心な運動が実り、藻岩山北斜面は1921年、北海道第1号の天然記念物に指定された。
 「都心に近い小さな山なのに400種類もの樹木が見られる天然林がある。いわば自然の植物園。施設改修を機に、この豊かな自然を楽しみながら理解するイベントや企画をどんどん考えるべきですね」
 宮部教授の孫弟子で同じく北大付属植物園長を務めた辻井さんの願いだ。
   ◇
 アイヌ語で「インカルシペヌプリ(いつもそこに登って見張る山)」と呼ばれる藻岩山。その魅力や歴史を探った。
(この連載は宮永敏明が担当します)
   ◇
 《藻岩山》 札幌市中心部から南西約5キロにあり、標高は531メートル。太古は活火山で、その名残として溶岩から出来た岩石層が山頂や観光道路わきで見られる。
 約450種の植物と約80種類の野鳥、エゾリスやキタキツネなどの動物、多様な虫が生息。山頂付近の北斜面は天然記念物に指定され、カツラやハルニレの大木がそびえる天然林がある。ほぼ全山が国有林だが、一部は市民スキー場として利用されている。
 山頂へは(1)ロープウエーとケーブルカー(2)観光道路(3)登山道――の3ルート。登山口は、旭山記念公園、慈啓会、スキー場、北の沢、小林峠の五つがある。
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01001081205010001
ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
« ■ 白老でアイヌ民族伝統のご... | トップ | 魚の皮、衣服や靴に加工 網走 »
最近の画像もっと見る

アイヌ民族関連」カテゴリの最新記事