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卓上四季 数字を読む

2010-08-27 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 8月26日)

思えばなんと数字にあふれた日常生活だろう。買い物をはじめ銀行カード、電話、時計、体重計など、1日にどれほど数字を見ていることか▼数字自体は感情を持たないが、物価や血圧が上昇すれば不安になる。株価や円相場の変動は生活経済に響く。この夏は気温や降雨確率の予報も目を引いた。人間にかかわる数字は、高低や増減の変化にこそ意味があるらしい▼道が実施したアイヌ181件民族生活実態調査の誤りが明らかになった。生活が「とても苦しい」と「豊かである」の回答比率を逆にしていた。正しくは前者が29・7%、後者は0・3%だった。パソコンの入力時に間違えたという▼人間のすることに「うっかりミス」は起こり得る。ただ、生活の苦しさを訴える回答は、前回まで30%を超えていた。急に1%を切って、疑問に思わなかったのだろうか。数字の劇的な変化に誰も気付かなかったことが怖い▼いや、人ごとではない。当時「大幅改善」と報じた本紙こそ、痛切に反省すべきだろう。3年前に報道されるとすぐアイヌ民族から「実態と違う」と指摘が出た。年間所得や生活保護の数字は前回調査より悪化していたのだ▼本紙の記事も、生活意識だけ「改善」された理由が明快ではなかった。数字の激変に納得できたか。読み取り方が浅くなかったか。日ごろの生活実態取材と比べてみたか-。忘れてはいけない教訓である。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/248002.html
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