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アイヌ語聞き分けるAIシステム、京大教授らが開発…音声記録を飛躍的に効率化

2021-05-08 | アイヌ民族関連
読売新聞 2021/05/07 08:44
 人工知能(AI)を使い、アイヌ語と日本語が入り交じった音声データからアイヌ語を抽出し、90%を超える精度で文字化するシステムを、京都大情報学研究科の河原達也教授らが開発した。文化庁は、極めて深刻な消滅の危機があるとされるアイヌ語の音声記録を北海道で収集し、デジタル音源化して整理・保存する事業を進めている。現在は専門家が音声を聞きながら行っている事業の音源整理の能率が、AIシステムを使うことで飛躍的に向上すると期待されている。(増田弘治)
 アイヌ語は、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)が認定する「消滅の危機にある言語」のうちでも、極めて深刻な危機があるとされる。河原教授らの研究は、文化庁の保存事業の一環として行われた。
 アイヌ民族は古来、民話や叙事詩を口伝えで継承してきた。アイヌの文化復興拠点として北海道白老町に整備された国立施設「ウポポイ(民族共生象徴空間)」にある国立アイヌ民族博物館は、1975年以降に研究目的で録音された民話「ウエペケレ」や古老へのインタビューを計670時間分、収蔵している。
 河原教授らはこのうち10人が語った40時間の民話の音声データを基に、AIに母音、子音の配列にある独特な規則性を学習させた。その結果、アイヌ語の認識とローマ字変換が94%の精度でできるようになった。
 AIシステムに日本語認識機能を組み込み、アイヌ語と日本語が入り交じった音声データを分析させると、アイヌ語はローマ字、日本語は漢字や平仮名で書き出せるようになった。

 文化庁国語課は2015年から、北海道でカセットテープやビデオテープに記録された音源を収集し、デジタル化して整理・保存する事業を進めている。これまでに3000時間分のデジタル化を終え、カセットテープなど3000本分について作業を進めている。
 国語課の鈴木仁也まさなり調査官によると、音源を整理するなかで一つの音源を複製したものが多数見つかり、音源を一つに絞り込む作業を、専門家がすべてを聞きながら膨大な時間をかけて行っているという。
 河原教授らが開発したAIシステムを使えば、1時間の音声データを数分で解析し終えることができる。鈴木調査官は「AIを使えば整理の能率は格段に上がる。ただ、現在のAIはアイヌ語の一部の方言だけで学習しているので、ほかの方言で録音された音源を正確に聞き取れない可能性がある」と話す。河原教授らは今後、ほかの方言を使い学習を深めさせる計画だ。
 国立アイヌ民族博物館の安田益穂学芸員によると、博物館ではデジタル音源や動画を集めたホームページ「アイヌ語アーカイブ」で河原教授らが開発したAIを活用し、アイヌ語の単語を検索すると音源を再生できるシステムを作った。
 安田さんは「アイヌ語を学ぶ若い世代が増えており、AIは研究資料の整理を加速させるだけでなく、アイヌ語学習にも貢献するはずだ」と話している。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210507-OYT1T50070/

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襟裳岬緑化の闘志、次代の誇り 映画「北の流氷」の脚本担当・小松さん 絵になる様似駅、列車走らせたい

2021-05-08 | アイヌ民族関連
北海道新聞 05/07 20:55 更新
 2023年度の上映を目指し、浦河町出身の田中光敏監督を中心に製作準備が進む襟裳岬の緑化事業を題材にした映画「北の流氷」(仮題)。脚本は、田中監督とタッグを組んで多くの作品を手がけてきた小松江里子さんが担当する。キャストが決まる前段階の第1稿はすでに完成。4月中旬、映画への協力要請などのため田中監督と札幌市内を訪問し「必ずいい映画にしたい。地元の皆さんに盛り上げてほしい」と呼びかけた。
 「北の流氷」は森林伐採で砂漠化した襟裳岬に漁業者らが植林し豊かな森と海を取り戻す、1950年代のえりも町を舞台にした実話に基づく内容。物語には、海底の砂を洗い流すという「奇跡の流氷」、その存在を主人公に話すアイヌ民族なども登場し、史実がベースだがファンタジーの要素も盛り込むという。
■風景を映像に
 製作に協力するのはえりも、浦河、様似、十勝管内広尾の4町で、各地でロケも行う計画。中でも、小松さんは4月1日に一部区間を除き廃止されたJR日高線の様似駅、ハート形で知られる豊似湖などの風景に思い入れが強い。
 「様似駅は絵になります。列車を降りるとアポイ岳が見える。映画的な風景だと思いました。今、映像に残しておかないともったいない」。脚本には主人公が列車から駅に降り立つシーンを盛り込んでおり「ロケであの駅にもう一度列車を走らせたい」という。
 主要舞台の襟裳岬については「おとぎの国みたいな感じ、童話が書けそうな場所だなと思いました。それがファンタジー(要素を盛り込むこと)に結びつきました。豊似湖も大事なシーンで使っています」
■自然の代弁者
 映画には、アイヌ民族も重要な役割で登場し、伝統の楽器「ムックリ」の音色や「ユカラ」も盛り込む予定という。田中監督は4月、様似、浦河のアイヌ協会とそれぞれ懇談し、50年代当時の生活の様子などについて聞いた。脚本では「良さをファンタジーで見せたい。自然の代弁者のような役割」と小松さん。
 映画は自然と人間の共生を考えることが大きなテーマ。小松さんが脚本を引き受けたのは「襟裳砂漠」といわれた場所を緑化した物語にひかれたからで「写真を見て衝撃でした。それを緑化した闘志、生きざまは格好いいなと思いました」と振り返る。
 「地域の方のおじいちゃん、お父さんが主役の映画。(緑化事業に)頑張っていたことを映画で客観的に見れば、次世代の子供たちの励み、誇りにもなると思う」と強調する。(松井伊勢生)
◆文中の「ユカラ」のラは小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/541262

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襟裳岬の緑化事業を映画に 脚本家・小松江里子さんに聞く

2021-05-08 | アイヌ民族関連
北海道新聞 05/07 20:53 更新
 襟裳岬の緑化事業をテーマにした映画「北の流氷」(仮題)。日高管内のえりも、様似、浦河3町と十勝管内広尾町が協力し、2023年度の上映を目指して製作準備が進んでいる。監督は浦河町出身の田中光敏さん、脚本はNHKの連続テレビ小説「どんど晴れ」などで知られ、田中監督と組んで多くの映画を手掛けてきた小松江里子さん。映画への協力要請のため、監督と札幌市内を訪れた小松さんに映画への思いを聞いた。(聞き手/浦河支局 松井伊勢生)
――どんな映画ですか。
 テーマは「自然と人間の共生」です。緑化に関してえりもは成功例なので、環境破壊がこれだけ進んでいて、世界中からの関心が高いらしいですね。だから、こういう所があると、壮大なテーマなんですけど、世界にメッセージを伝える映画。世界の人に見てもらう、北海道発の映画です。描きたいのはえりもで暮らす一つの家族の物語で、その人たちの生きざまの中から、そういうものを感じてもらえればいいなと思います。
 ――脚本を引き受けたきっかけは。
 一番衝撃だったのは(緑化事業に取り組む前の)襟裳岬の「これ、砂漠だよね」っていう写真。それを緑化する「不屈の闘志」というのにひかれましたね。人としての生きざま、こういう「昭和の男」が格好いいなと思って、書くんだったら今しかないと。コロナ禍の前に現地にも行き、襟裳岬は絵になると思いました。おとぎ話の国みたいな感じがした。ああいう先端があって、家がかたまってあって、童話が書けそうな場所だなって。そこからファンタジーの要素を盛り込む考えにも結びつきました。
 ――ファンタジーの要素はどう盛り込みますか。
 テーマが自然で、生きざまとかを描いていくと難しくなるんですよね。だから、できるだけ多くの人に見てもらえるような面白さというか、メジャー感は持ちたい。ちょっと柔らかさも入れたい。日高の美しい自然をドローン(小型無人機)で撮って、そこに、アイヌ民族の伝統の楽器ムックリの音色を流して、ユカラ(英雄叙事詩)も使って。監督がユカラを現代風にアレンジできないかと言っていましたが、それは面白いなと思う。若い人たちが聞いてみたくなるようなものにすると、みんなに浸透するような気がする。そういうところでもファンタジー感を出したいんですよ。シマフクロウがいて、主人公をカムイの国に案内するような幻想的なシーン、そういうのを作ってみたいなって思っています。
 ――脚本の進み具合は、いかがでしょう。
 「第1稿、2時間弱の原稿はできています。私は(実際に演じる)役者さんに当てて書きたいので、配役が決まってからもう一回全部やり直そうかなと思っています。役者さんによって持っているエネルギーとかオーラがあり、ちょっと雰囲気が変わったりするので、ストーリーは変わらなくてもセリフは変わってくるんです」
 ――日高の気に入っている風景、脚本に生かしたい景色はありますか。
 (4月に鵡川―様似間が廃止されたJR日高線の)終着の様似駅。あれは絶対に絵になります。ここで列車を降りて、まずアポイ岳が見えて、バスで襟裳岬に向かう。これは映画的な景色だと思いました。今、映像に残しておかないともったいない風景です。主人公が列車から降りてくるシーンは脚本に盛り込んであり、監督もオッケーしています。あとは(ハート形で知られる)豊似湖(とよにこ)も幻想的。大事なシーンで使っています。襟裳岬を訪れたとき、ちょうど夕日が落ちるところで、大きく真っ赤な夕日に驚きました。向き合っていると人生観が変わるんじゃないかと。映画の主人公たちは、これを毎日見ている。都会に生きる人とは違うんだろうなと思い、日高の美しい自然はしっかり書こうと思いました。
 ――映画で、アイヌ民族の役割はどのようなものですか。
 自然の代弁者のような役割ですね。自然と共生していたのがアイヌの人たち。開拓で自然を壊し、昭和の(映画の)主人公たちの時代になって自然の反撃があり、そこでアイヌの人たちの教えに耳を傾ける。(タイトルにもある)流氷の伝説もアイヌ民族の長老から聞くという、そういう形で登場します。
 ――最後に、地域へメッセージを。
 脚本家や監督が頑張っても、実際の現場は地元で、特にこの映画は地元の応援がなければ成立しません。地域の方一人一人のおじいちゃん、お父さんが主役の映画で、次代の子供たちの励み、誇りにもなると思います。毎日普通に暮らしていれば(緑化事業を)頑張っていたなんて伝わらないけど、映画として客観的に見ればはっとすると思います。また、緑化事業に絞ると身構えて見る映画になるので「これはファンタジー(映画)?」というような、面白そうだと思ってもらえる映画にしたい。それは脚本家の私の責任だと思っています。
◆文中の「ユカラ」のラは小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/541199

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「アイヌ民族」展 県内7カ所巡回 桜井で29・30日 /奈良

2021-05-08 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2021/5/8 地方版
 アイヌ民族の文化や歴史などを紹介する展示会「先住民族アイヌは、いま」が10月まで宇陀市や河合町など県内7カ所を巡回する。5月は29、30両日、桜井市役所大会議室で開催。民族衣装や楽器など約60点を展示する予定で、会場では歴史などを分かりやすくまとめたDVDも放映する。
 市民団体「先住民族アイヌのいまを考える…
この記事は有料記事です。
https://mainichi.jp/articles/20210508/ddl/k29/040/321000c

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先住民の若きリーダー・ロメウの 生き別れた「仲間」への思いーー『ノモレ』国分拓

2021-05-08 | 先住民族関連
幻冬舎 2021.05.08
南米アマゾン川流域に、文明と一切接触してこなかった人たちがいる。そんな民族を追いかける書籍やテレビ番組は、これまでにも読んだり観たりしてきた。そのたびに、彼らを見世物と扱い、劇的な遭遇が演出されているように感じ、後味が悪くなった覚えがある。けれど本書は、それらとはまったくの別物だ。アマゾン川の源流域で起きた事実を踏まえつつも、その前後、何十年何百年にわたって起き、またこれから起きるだろう未来の出来事にまで、想像力を膨らませてくれるのだった。
タイトルの「ノモレ」とは、「仲間」「友」という意味。先住民のひとつ、イネ族の言葉だ。そのイネ族が暮らす最奥の集落のひとつで、川の向こう岸に、これまで接したことのなかった人々が突如現れた。全裸に槍を携える彼らの姿に驚くものの、イネ族にとって未知の恐怖ではなかった。先祖代々からの伝承で、生き別れた仲間が森にいると聞いていたからだ。「ノモレ! ノモレ!」と声を掛けつづけ、槍を向こう岸に置いてくるように頼む。根気よく慎重に接することによって、相手も理解を示して、その日から川を挟んでたびたびの交流が始まった。
ノモレを始め、いくつかの言葉が通じるということは、根源は同じ先住民族であることを示唆していた。ようやく出会えた仲間。彼らと、どうしたらわかり合えるか。文明や病原菌に免疫がない彼らと、どう接すべきか。先頭に立って行動を起こしていくのが、イネ族のロメウという、先の集落の村長であるだけでなく、ペルーの先住民全体の若きリーダーだ。
本書はそのロメウを主人公に話が進んでいく。アマゾンで暮らしていく体格や知識を持つだけでなく、文明化の波の真っ只中で成長したロメウは県の中心都市で教育を受け、先住民の置かれている状況や白人との付き合い方、文明社会による影響の明暗までも理解している。ロメウたちの最初の接触は、数ヶ月の後、ある大きな事件をきっかけに突然終わってしまう。
その七ヶ月後のこと。ふたたびひと目につく場所に現れるようになった彼らの監視と情報収集を政府機関に頼まれて、ロメウは現地に入る。彼らは「イゾラド」=「文明社会と未接触の先住民」と一般的に呼ばれつつも、時に「マシュコ・ピーロ」=「凶暴で野蛮な人間」と忌み嫌われた呼ばれ方をする存在でもある。しかし、あくまでもロメウは、彼らを「ノモレ」とみなし、接触を試みる。今度こそ、失敗のないように。
その結末は、日本という遠い国にいるわたしたちにとっても一筋縄ではいかない。ロメウの視線で書かれることによって、その現実にどっぷりと嵌まり込んでしまう。ノンフィクションでありながら上質な小説に出合ったような気分になった。
「小説幻冬」2018年11月号
『ノモレ』国分拓 突然出現したイゾラドは、我々のノモレ(仲間)ではないのか──。NHKスペシャル「最後のイゾラド 森の果て 未知の人々」(2016年8月7日放送)の取材から生まれたノンフィクション。 新潮社/本体1600円+税
https://www.gentosha.jp/article/18646/

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グーグル、消滅危機言語の保護を目指すAIツール「Woolaroo」を発表

2021-05-08 | 先住民族関連
cnet japan 2021年05月07日 11時06分
 Googleは米国時間5月5日、消滅の危機にある言語の教育と保護を目的に、人工知能(AI)をベースとしたオープンソースのデジタル言語ツール「Woolaroo」を発表した。
 このツールは「Google Cloud Vision API」を使って開発されており、機械学習と画像認識を利用して、写真に写っている物体の名称を先住民族の言語で表示し、リアルタイムで翻訳する。1枚の写真の中で複数の物体が検出された場合は、スクロールして選択できる。
 オーストラリア北東部のクイーンズランド州にあるユガンベ(Yugambeh)博物館で最高経営責任者(CEO)を務めるRory O'Connor氏は、発表の中で次のように述べている。「世界が進化し、これまでになかった新たな技術を利用できるようになっており、オーストラリアの文化に対する先住民族アボリジニの言語の重要性を考えると、われわれにはコミュニティーの住民たちが使っている既知の言葉の中でも特に新しい言葉を記録する動機がある」
 Woolarooでは、個人やコミュニティーが新しい単語や、発音に役立つ音声を投稿することもできる。
 「先住民のコミュニティーにとって重要なこととして、Woolarooでは、登録項目を追加、編集、削除する権限が完全に先住民族の側に任されている。そのため、新たに覚えた単語やフレーズにすぐに対応して、自ら追加できる」(O'Connor氏)
 Woolarooでサポートされている言語は、クイーンズランド州とニューサウスウェールズ州で話されているアボリジニの言語であるユガンベ語、ルイジアナ・クレオール語、ギリシャ語のカラブリア方言、マオリ語、ナワット語、タマザイト語、シチリア語、徳靖チワン語、ラパ・ヌイ語、イディッシュ語だ。これらの言語を、英語、フランス語、またはスペイン語に翻訳できる。
https://japan.cnet.com/article/35170365/

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豪バスケ代表選手が五輪ボイコット示唆、多様性欠く画像に抗議

2021-05-08 | 先住民族関連
JIJI.COM 5/7(金) 17:47
【AFP=時事】女子バスケットボール、オーストラリア代表のスター選手であるエリザベス・キャンベージ(Elizabeth "Liz" Cambage)は7日、同国オリンピック委員会(AOC)が発表したプロモーション写真について人種的な多様性が欠けていると批判し、東京五輪の出場をボイコットする可能性を示唆した。
 豪代表として2度の五輪出場を誇る29歳のキャンベージは、米女子プロバスケットボール(WNBA)のラスベガス・エーシズ(Las Vegas Aces)の選手として新シーズンに備える中、2枚の画像について問題を提起した。
 1枚目は今週発表されたもので、この画像では母国の五輪・パラリンピック代表チームの選手が、スポンサーである米アパレルメーカー「ジョッキー(Jockey)」が提供した衣服に身を包んでいるが、そこに有色人種の姿はなかった。
 WNBAで通算3度のオールスター選出を誇っている同選手は、ユニホームを着たオーストラリア代表選手が写った2枚目の画像も投稿。これには先住民族のラグビー選手であるモーリス・ロングボトム(Maurice Longbottom)が入ってはいたが、「偽の日焼けした肌では多様性と同等にはならない」と訴えた。
 ナイジェリア人の父とオーストラリア人の母の間に生まれたキャンベージは、自身のインスタグラム(Instagram)アカウントのストーリーに、「一度でも言ったことがあれば、100万回言ったことになる」と書き込むと、「私のことさえ代表にしてくれない国の代表になるにはどうすればいいのか。#whitewashedaustralia(歪曲された、あるいは白人化されたオーストラリア)」とつづった。
 さらに「黒人アスリートがチームの先頭に立っているときに、あなたたちは皆、代表のイメージからPOC(people of colour、有色人種)をどうにかして排除しようとしている。オーストラリアの五輪チームがもっとどうにかしてくれるまで、私はこれ(五輪)には参加しないことにする」と書き込み、7月に開催される東京五輪の出場を見送る可能性を示唆した。【翻訳編集】 AFPBB News
https://news.yahoo.co.jp/articles/0bb070d4ebf4f68dba141e4d1353341cc0040de2

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同性婚を阻む可能性も。自民党の「LGBT理解増進法案」がダメと言われる理由

2021-05-08 | アイヌ民族関連
ハフポスト5/7(金) 12:25
自民党が今国会で成立を目指している「LGBT理解増進法案」を巡り、LGBTQ当事者ら有志が5月6日、「『差別的取り扱いの禁止』が明記されておらず、性的マイノリティに関する世の中の動きを後退させる法案だ」と、会見で指摘しました。
自民党はLGBTに関する法案を作る姿勢を見せることで、問題に前向きに取り組んでいるように見せています。 
しかし、「理解増進」法案にとどめることで差別が放置されると有志らは訴えており、SNSなどでも批判の声が上がっています。
立憲民主党など野党6党・会派はすでに、性的指向と性自認による差別的な取り扱いを禁止する「LGBT差別解消法案」を衆議院に提出しています。
しかし、自民党が成立させようとしているのは、差別禁止ではなく理解増進。
なぜ有志らは「理解を求める」法律ではなく、「差別的取り扱いを禁止する」法律が必要だと訴えるのでしょうか。【安田 聡子・坪池順/ハフポスト日本版】
なぜ「理解増進」ではダメなのか
一般社団法人fair代表理事の松岡宗嗣氏は、理解増進法には3つの懸念があると言います。
1. 差別を放置してしまう
2. 同性婚やパートナーシップ制度の導入を阻害する
3. トランスジェンダーへのバッシングを助長してしまう
トランスジェンダーと伝えたことで就活書類の受け取りを拒否された、同性愛が他の生徒に感染してしまうと言われてクラスから追い出されたなど、LGBTQ当事者たちは様々な差別やいじめにさらされています。
しかし、理解増進法は理解を促すにとどまり「差別的取り扱いをしてはならない」という規定がありません。
そのため「差別されても守られず『理解がなくて残念でしたね』と泣き寝入りをしなければいけない」と松岡氏は言います。
また、理解増進法の「理解」とは何かが明示されていないため、「『まだ社会の理解が足りない、理解を広げることが先だ』と、同性婚の法制化やパートナーシップを導入しない言い訳として法律が使われてしまう可能性がある」とも松岡氏は指摘します。
また、松岡氏は、自民党が差別を禁止しない最大の理由は同性婚につなげないためだろうとも考えています。
自民党は同性婚を容認しないという立場をとっています。
差別を禁止してもすぐ同性婚ができるわけではありません。同性婚を認めるには、婚姻に関する民法の改正が必要です。
しかし、「異性カップルと同性カップルで異なる扱いをしていることは差別的取り扱いにあたり、差別禁止が同性婚の法制化につながるので、理解にとどめたいという意図があるのだろう」と松岡氏は言います。
さらに、自民党が3月に開催した会合で、トランスジェンダー女性の人たちの写真を提示して「グロテスク」と表現するなど差別発言があったといいます。
会合の参加者からこの発言を聞いたという松岡氏は「こんな認識のもとで理解を広げる法律を作ると、トランスジェンダーの人たちへのバッシングを助長しかねない」と、偏見による差別強化を問題視します。
必要なのは差別の禁止
明治大学法学部の鈴木賢教授も、理解増進法案は立て付けに問題があると言います。
鈴木氏が指摘する点の一つが、この法案が性的マイノリティに「寛容な社会の実現」を掲げていること。
「寛容には『落ち度を大目に見る』という意味がありますが、性的マイノリティであることは過失も落ち度でもありません」と、法案の目的自体が適切ではないと指摘します。
さらに、差別が起きた時に当事者を救済する手段や仕組みがないことも鈴木氏は問題視しています。
法的な救済手段がないために安心して暮らしたり働いたりできないというのは、多くのLGBTQ当事者たちが経験していることです。
会見に参加したRainbow Tokyo北区代表の時枝穂氏は、職場でトランスジェンダー女性であることを伝えた時に「余計な問題を起こさないで欲しい」と言われたといいます。
また、女性としての扱いを求めたのに男性ロッカーを使うよう強制されたこともありました。
一般社団法人こどまっぷ代表理事の長村さと子氏も、以前勤めていた飲食店でレズビアンであることをアウティングされ差別を受けました。
「差別的取り扱いをしてはいけないという決まりを作らなければ、差別はなくせません。何をしてはいけないのか、明確にルールを作ることが理解を広げる前提として必要」と、差別禁止の必要性を長村氏は訴えました。
理解はもう広がっている
理解増進法が「まずは国民の理解が必要だ」としている一方で、LGBTQの人たちへの理解は社会の中で急速に広がっていることがわかっています。
2019年の意識調査では同性婚を「賛成」「やや賛成」と答えたのは、全体の64.8%とその4年前に比べて13.6ポイント増加。
性的マイノリティに対するいじめや差別を禁止する法律・条例の制定については、87.7%が「賛成」と答えました。
「10年、20年前のLGBTって何?という時代であれば、ある程度方向性を示すことにも意味があったかもしれません。しかし今は多くのメディアでも毎日のようにLGBTのことが報道され何も知らない状況を脱しています。理解を増進するという法律を作っても社会はおそらく何も変わりません。今必要なのは苦しんでいる人たちを救う法律だろうと思います」とヒューマンライツウォッチ日本代表の土井香苗氏は強調します。
差別的取り扱いの禁止を禁じた法律としては、障害者差別解消法や男女雇用機会均等法、アイヌ新法などがあります。
「男女雇用機会均等法がなければ、今でも女だからという理由で昇進や雇用の差別が禁止もされていない社会で生きていたかもしれません。そういった社会に今放置されているのがLGBTの人々です」と土井氏は言います。
会見に先立つ5月2日に、松岡氏ら有志が「法律に差別的取り扱いの禁止を明記して欲しい」と求める緊急声明を発表。6日午前10時までに4438名の賛同が集まりました。
「多くの人がカミングアウトできない現状でも賛同してくれたんだと思います。リスクを負ってでも差別はあってはならないと思う人たちの願いが伝わってきました。国会議員の方々はこの現実が見えているのでしょうか。何のために誰のために法律を作るのか。改めて考えて欲しいなと思います」 と松岡氏は訴えています。
さらにSNS上では #LGBTQがいじめ差別から守られる法律を求めます というハッシュタグで「理解増進では不十分」「目指すべきは差別がない社会」といったコメントが投稿されており、差別禁止を明確にした法案にして欲しいという声が集まっています。 
※LGBT理解増進法とは:「国民の理解増進に関する施策の推進」や「多様性に寛容な社会の実現」を目的にし、LGBTQへの理解を広げる基本計画策定を政府に求めている。
安田 聡子・坪池順/ハフポスト日本版
https://news.yahoo.co.jp/articles/dbb035acac4837bb1b36d80ed20cb89d38c845cf

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