先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

第5部 釧路でわが道歩む(2) 大自然の営み アートに

2018-03-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/09 05:00
■雲や湧き水表現
 大地が「創造の扉」となり、生まれるアートがある。
 「頭に浮かぶデザインを形にすると、大自然へとつながっていく」。釧路市阿寒町の銀細工職人、下倉洋之さん(42)が、自作の腕輪を手に取った。内側に彫り込んだ幾つもの渦巻きで風を表現した、アイヌ民族の文様の影響を受けたデザインだ。
 阿寒摩周国立公園を訪れる観光客でにぎわう阿寒湖温泉街の外れに下倉さんの工房「rakan(ラカン)」がある。妻絵美さん(44)の伯父でアイヌ美術の彫刻家、故床ヌブリさんの作業場を引き継ぎ2015年に開いた。雲、湧き水、芽吹き…。自然の営みを銀で表現したペンダントや指輪なども並ぶ。
 横浜市出身。専門学校を経て東京都内の彫金工房で働いていた1998年、オートバイでツーリング中に寄った二風谷アイヌ文化博物館(日高管内平取町)でアイヌ民族の衣装にほどこされた刺しゅうにくぎ付けになった。「単純な曲線や渦巻きなのに、見えない何かへの敬意が伝わりズドン―と胸に響きました」
 アイヌ文化を調べ、自然との共生の歴史を知った。その後、都内でアイヌ音楽の歌手として活躍していた絵美さんと出会い結婚。13年から、絵美さんが育った阿寒湖温泉のアイヌコタン近くで自然に寄り添い暮らす。
 阿寒湖温泉に遅い春が来ると、摘み立てのフキノトウを絵美さんが煎じた茶が大地の息吹を体に吹き込む。国の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」をまつる「まりも祭り」の前には、コタンの“男衆”に加わりアイヌ民族の祭具イナウ(木幣)の材料のヤナギを採りに山へ向かう。昨秋は釧路管内白糠町の茶路川でアイヌ民族の伝統漁「マレク(もり)漁」に参加。大きなサケの命の重みを体で感じた。アイヌ民族が文様に込めた自然への敬意を日々感じ共感する。
 6月に東京で新作を発表する。作品にはあえて説明は添えないつもりだ。「阿寒の暮らしが作品に影響しているかとよく聞かれるが、自分では分からない。手に取った人が何を感じてくれるかが、その答えだと思う」
■下倉洋之さんと彫刻家藤戸幸夫さん(オホーツク管内津別町在住)の二人展 
 6月14日(木)~17日(日)、アトムCSタワー(東京都港区新橋)。問い合わせは工房「rakan(ラカン)」(電)0154・64・1728へ。

 工房「rakan(ラカン)」は釧路市阿寒町阿寒湖温泉3の8。午前10時~午後5時、要予約。不定休。7月にカフェを併設予定。予約は(電)0154・64・1728へ。
 下倉さんの作品は、阿寒湖温泉1の土産店「AKANKO STYLE ART LABO(阿寒湖スタイル・アート・ラボ)」、札幌市中央区南3東1の「G.M(ジェロニモ)」、胆振管内白老町の「アイヌ民族博物館」でも取り扱い中。
 下倉さんは、オホーツク管内津別町在住のアイヌ民族の彫刻家・藤戸幸夫さんと6月11~17日、東京都新橋のアトムCSタワーで二人展を、同20~26日には東京都港区南青山の「グラスギャラリー・カラニス」で大阪市在住のとんぼ玉作家・増井敏雅さんと二人展を開く。
■湿原の生物題材
 今にも動きそうなキタサンショウウオやエゾアカガエル、獲物を狙うエゾフクロウ…。釧路市の竹本万亀(まき)さん(43)宅に自作の切り絵がゆらゆらとぶら下がる。高校の美術教師で、札幌、東京などで多数個展を開催する切り絵作家だ。釧路湿原周辺に生息する生き物が題材だが、いずれも体に葉や風を思わせる文様を刻み込んだ幻想の姿だ。
 「生き物と、彼らが生きる大自然を私流に合体させたら、こうなりました」と笑う。
 釧路管内厚岸町生まれ。鶴居村、浜中町で育ち、キタキツネやエゾシカなどの野生動物が身近だった。小学1年で切り絵を始めた。初めは人物や風景を描いていたが、道教大釧路校在学中にカエルを題材にした。友人からカエルのゴム人形をもらい、子供時代に、近所の沼でカエルの卵を採っては瓶で育てたことを思い出したのがきっかけだった。
 黒画用紙から切りだしたカエルの体には、自然と一体化させようと湿地や沼に茂るヨシ、水草、湧き水の水泡を思わせる模様を入れた。「もっと遊び心を」と、カエルをまんじゅうやギョーザ、信号機などあらゆるものに“変身”させたシリーズをアート系イベントなどで発表し話題となり、道内外から出展依頼が来るようになった。トカゲ、モモンガ…とレパートリーは広がり、新作は年間30を超す。
 アイヌ民族がカムイ(神)とあがめた動物たちを題材とした竹本さんの切り絵に、宗谷管内中頓別町在住の公務員榎田(えのきだ)純子さん(43)が詩を添えた二人展「カムイ絵巻」が、釧路市立美術館で31日まで開催中だ。一昨年、北九州市でも開催し、竹本さんの切り絵の妖しげな雰囲気が、反響を呼んだ。
 「創作意欲をかき立てる生き物が身近にいるから生まれた作品。実物そのままではなく、似ているけど、違うのが面白い―。そんな作品を作っていきたい」(佐竹直子)
■「ここに住まうもの大集合! カムイ絵巻」
 31日(土)まで、釧路市立美術館(幣舞町4)。問い合わせは美術館(電)0154・42・6116へ。

 竹本万亀さんの切り絵は、「創作の遊び場RANGAI」ホームページ(http://rangai.main.jp/archives/author/maki-takemoto))で紹介中。釧路市立美術館(幣舞町4)で開催中の「カムイ絵巻」は31日まで。入場料は一般140円、大学生以下無料。午前10時~午後5時。月曜休館。問い合わせは釧路市立美術館(電)0154・42・6116へ。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/170423

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東村山在住カメラマンの写真展 アイヌの暮らしを25年以上発信

2018-03-09 | アイヌ民族関連
バリ経済新聞2018年03月09日

 東村山市立中央公民館(東村山市本町2)で3月13日、宇井眞紀子(ういまきこ)写真展「アイヌ、現代の肖像」が開催される。首都圏に暮らすアイヌや、北海道の二風谷(にぶだに)の人々を捉えた写真など約70作品を展示する。主催は東村山市。
 東村山市立中央公民館(東村山市本町2)で3月13日、宇井眞紀子(ういまきこ)写真展「アイヌ、現代の肖像」が開催される。首都圏に暮らすアイヌや、北海道の二風谷(にぶだに)の人々を捉えた写真など約70作品を展示する。主催は東村山市。
 宇井さんは東村山市在住。25年以上にわたり「アイヌの人々」の暮らしや民族の伝統を取材・撮影し、彼らの「現状」を発信し続けてきた。その功績が認められ、昨年日本初の女性報道写真家を記念した「第1回笹本恒子写真家賞」を受賞。昨年行われた受賞記念展で展示した作品を見ることができる。
 同市が人権啓発活動として取り組む多磨全生園「人権の森」構想への理解も深く、写真展「いのちの森に暮らす~ハンセン病療養所多磨全生園のいま~」の開催、同名写真集の出版にも尽力してきた。
 同市担当者は「宇井さんは、『大好き東村山写真コンクール』でも17年間審査員を務めている。多くの方がこの写真展を通じさまざまな人権問題があることに触れ、学び、身近な問題として感じてもらえれば」と話す。
 開催時間は10時~21時。オープニングセレモニーは13日19時~。入場無料。今月18日まで。
https://kitatama.keizai.biz/headline/100/

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

それぞれの文化、観光振興に活用 阿寒湖温泉であすフォーラム アイヌ民族と米アラスカ州先住民族が交流

2018-03-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞03/09 05:00
 【阿寒湖温泉】アイヌ民族と米アラスカ州の先住民族らが、国際観光について語るフォーラム「先住民族交流会議in阿寒湖」(釧路商工会議所主催)が、10日午後1時から、釧路市阿寒町阿寒湖温泉の「阿寒湖アイヌシアターイコロ」で開かれる。外国人旅行者を呼び込む国の「観光立国ショーケース」のモデル地域に指定されている釧路市で、アイヌ文化と国際的な民族交流による新たな観光振興を考える。
 内閣官房アイヌ総合政策室アイヌ政策推進作業部会委員の本田優子・札幌大教授が「アイヌ文化の伝承と異文化交流」をテーマに基調講演。アラスカ州南東部に住む先住民族トリンギットのアンドリュー・エボナさんと、阿寒アイヌ工芸協同組合の秋辺日出男専務理事が、それぞれ観光振興の取り組みを報告し、パネルディスカッションも行う。
 入場無料。申し込みは釧路商工会議所(電)0154・41・4143へ。
※「阿寒湖アイヌシアターイコロ」の「ロ」は小さいロ
残り:128文字/全文:531文字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/170549/

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フクロウの誕生、斬新に 大英博物館出品の木彫り完成 平取の貝沢さん

2018-03-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞03/08 10:22 更新
【平取】英国の大英博物館に木彫り装飾品を出品することが決まっている平取町二風谷の工芸作家、貝沢徹さん(59)の作品がこのほど完成した。アイヌ民族の守り神フクロウが卵からふ化する一瞬を切り取った斬新な構図で、生命の息吹と力強さを感じさせる出来栄えとなっている。近く英国に送り、10月にも展示される予定。
 貝沢さんは2014年、英国で開かれた先住民族関連のセミナーに出席した際、大英博物館で日本美術の企画、運営業務などに携わる学芸員と知遇を得たのが縁で、2年半ほど前に制作を依頼されていた。昨年夏、平取を訪れた学芸員ニコル・クーリッジ・ルマニエールさんから「貝沢さんの作品は新鮮で創造性も高い。完成がとても楽しみです」と伝えられていた。
 貝沢さんはフクロウがふ化する様子の図案を早くから作っていたが、年間来場者500万人と世界を代表する博物館への出品とあって、「失敗は許されず、作業になかなか着手できませんでした」。ダチョウの卵を入手してじっと見入ったり、木片を触っては「呻吟(しんぎん)することの繰り返しでした」と話す。
 少し黒みがかった原木は沙流川下流にあった埋もれ木で、「大切な作品用に取っていました」。昨年10月に作業に着手。1日平均2~3時間ほど粗彫りをしながら形を整えていった。まさにフクロウが殻から出ようとしている力強い作品で、貝沢さんは「アイヌ文化の精神性をいろいろな角度から感じとっていただければうれしい」と話す。
 台座を含めた大きさは縦約40センチ、横約50センチ、高さ約25センチで、重さは約7キロ。作品は大英博物館内で三菱商事がスポンサーを務める「日本ギャラリー」の展示品の一つとして、10月に公開が予定されている。(升田一憲)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/170183

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「銀のしずく」が今季開館、横山さんの木像展示【登別】

2018-03-09 | アイヌ民族関連
室蘭民報2018.03.08
 登別出身でアイヌ神謠集を著した知里幸恵の業績を伝える「知里幸恵銀のしずく記念館」(登別本町、金崎重彌館長)が、2018年(平成30年)の開館を迎えた。一昨年9月に亡くなった永世館長・横山むつみさんの木像も新たに展示され、来館者の注目を集めている。
 同館は10年9月にオープン。アイヌ文化や幸恵の業績を伝えるNPO法人知里森舎が管理運営している。館内では幸恵の日記や手紙、寄贈された本などを展示しており、冬季休館を終え、今月1日から18年開館がスタートした。
 今年から新たに、横山さんの木像が加わった。幸恵の木像を制作、寄贈した能登康昭さんの作品で、台座と胸像がセットになっている。くっきり開いた目やまつげなども表現しており、精巧な作りだ。2階の展示コーナーに設けており、隣に並ぶ横山さんの写真とそっくり。「永世館長 横山むつみ」と記されたプレートもある。
 今年も同記念館を舞台に学習会やコンサートなどさまざまなイベントを用意している。25日には自然観察会を開く。周辺の植物を観察しながらアイヌ文化とのかかわりについてレクチャーする。小学生以上が対象で定員は20人。参加費は200円。問い合わせは同記念館、電話0143・83局5666番へ。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/5133

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

報道の自由 勧告を拒否 国連人権理審査で日本

2018-03-09 | アイヌ民族関連
東京新聞 2018年3月8日 朝刊
 【ジュネーブ=共同】国連人権理事会による日本の人権状況の審査について、日本政府は七日までに、特定秘密保護法などで萎縮が指摘される「報道の自由」に関する勧告を拒否した。米国やオーストリアなどは、政府が放送局に電波停止を命じる根拠となる放送法四条の改正などを通じメディアの独立性を一層確保するよう求めていた。
 昨年十一月の作業部会で各国から出された二百十七項目の勧告を受諾するかどうか項目ごとに見解を公表した。百四十五項目を受け入れたが、死刑廃止要求など三十四項目を拒否、三十八項目は一部受け入れや留意とした。従軍慰安婦問題では、中国などが要求した元慰安婦への誠意ある謝罪と補償の勧告を拒否。韓国が要求した公正な歴史教育の実施に対しては留意するとした。
 人権理は今月十六日の会合で日本の見解を反映した報告書を最終的な勧告として採択する予定。勧告に法的拘束力はない。
 ドイツなどが要請した、東京電力福島第一原発事故後の住民に対する支援継続に関する勧告は受け入れた。沖縄の人々など少数派が社会的権利を享受できるよう対策強化を求めたペルーの勧告に対しては「アイヌ民族のみを先住民と認めている」として一部受け入れを表明した。
 広島、長崎の被爆二世の健康問題などでの救済措置拡大と、核兵器禁止条約の署名を求めた勧告はいずれも拒否した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201803/CK2018030802000127.html

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

記念館学芸員が執筆「松浦武四郎入門」 旅に生きた小さな巨人の足跡 /三重

2018-03-09 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2018年3月8日 地方版
 松阪市出身で、北海道の名付け親で知られる探検家・松浦武四郎(1818~88年)の偉業を解説した「幕末の探検家 松浦武四郎入門」(税別1000円)が伊勢市の出版社「月兎舎」から発刊された。
 著者は松浦武四郎記念館の山本命主任学芸員(41)。武四郎研究17年になる専門家で、武四郎生誕200年記念事業実行委員会の要請を受けて執筆した。武四郎が残した200冊を超える自伝などを読み解き、武四郎が蝦夷(えぞ)地で6度もの現地踏査を続けた背景を豊富な図絵などの資料を添えて解説している。
 「旅への誘い」「長崎で僧侶に」「蝦夷地へ」「アイヌを救え」などから成るA5判143ページ。幕末から明治初期にかけての全国歴遊を日誌を引用しながらまとめている。
 ロシアの脅威を感じて6度も踏査した蝦夷地については、武四郎がアイヌの人々と深く交流する中で信頼関係を築き、アイヌ文化の保存に尽力した実績を強調している。
 維新後は明治政府にも登用され、蝦夷地の新名称を「北加伊道(ほっかいどう)」と提案し、北海道となって命名された。古物の収集家でもあり装飾品の解説図録を出したり、全国の有名社寺の古材で一畳敷の書斎を建てたりしたことも記載されている。
 山本さんは「記念すべき年に、旅に生きた小さな巨人(武四郎の身長は148センチ)の足跡を多くの人に知ってほしくて執筆した。特に政府高官の地位を辞してまでアイヌ民族に寄り添った偉業は全国の人々に知ってほしい」と話している。【橋本明】
〔三重版〕
https://mainichi.jp/articles/20180308/ddl/k24/040/308000c

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カナダでホームレスの「ピアノマン」死亡 演奏ビデオで有名に

2018-03-09 | 先住民族関連
BBCニュース2018年03月8日

カナダ・アルバータ州エドモントンの路上でピアノを弾く姿がYouTubeで紹介され、有名になったホームレス男性が2日、支援シェルターで亡くなった。46歳だった。その訃報に多くの市民が悲しんでいる。
ライアン・アーカンドさんは車のクラクションや道行く人たちの叫び声、車や人が絶え間なく行きかう街の声に囲まれて、路上で生活していた。
アルコール依存症や精神疾患と長年戦いながら、曲を作り、路上でピアノを弾いていた。アーカンドさんは亡くなったが、その音楽は残る。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=aTsMTIofG2Q
アーカンドさんはカナダ先住民アレキサンダー・ファースト・ネイションの1人で、4歳ごろから兄弟と共に里親と暮らし始めた。この時に地下室でピアノを見つけたのが全ての始まりだった。
CBCのインタビューでは当時のことを「お互いのために存在していると感じた」と振り返り、「ピアノを見ながら恋に落ちた」と話した。
初めはテレビや映画のテーマを耳で覚えて弾いていたが、そのうち作曲もするようになった。
13歳の時に家出してエドモントンにたどり着き、路上生活を始めた。すぐにアルコールが生活の原動力になったものの、もうろうとした状態で過ごす日々の中でも、音楽への愛情は残っていたという。
アーカンドさんは教会や病院のほか、サー・ウィンストン・チャーチル広場でも演奏していた。この広場での演奏をロズリン・ポーラードさんが目にし、撮影したビデオが彼を有名にした。アーカンドさんがポーラードさんに弾いた曲はいみじくも、「始まり」というタイトルだった。
YouTubeでの評判を機に、「ピアノマン」というあだ名がついた。さらに、支援シェルターにも入居できるようになった。ポーラードさんはビデオで得た資金でシェルターにピアノを買い、アーカンドさんが毎日演奏できるようにした。
しかしその後、アーカンドさんはシェルターと路上、病院、そして刑務所を点々とすることになる。ビール瓶を手にしているのを見つかって以来、サー・ウィンストン・チャーチル広場など、なじみの場所での演奏を禁じられてしまった。
2016年に軽犯罪で6カ月服役した後、APTNのインタビューを受けた。
「また酒を飲んでる。最悪だ(中略)もう何をすればいいか分からないんだ」、「(僕の音楽は)破れた夢だ。正直、僕にはもう何も希望がない」と、アーカンドさんは話していた。
アーカンドさんをしのび、家族や友人はその人柄を思っていると話す。
アーカンドさんがたびたび訪れていたセント・ジョゼフ大聖堂のクリス・シュミット神父は、「アーカンドさんが最も輝いていたとき、彼の信仰は素晴らしく、神父として身が引き締まる思いでした」と振り返る。「飲酒していない時の彼は、一緒にいて実に楽しい人でした」。
家族によると、アーカンドさんは週末にもアレキサンダー・ファースト・ネイションの土地に埋葬される予定。アーカンドさんのいとこ、クリス・イエローバードさんは、「彼のこれまでの葛藤や悲しみが過去のものになった思うと、気持ちが楽になる」とコメントした。
(英語記事 Viral homeless 'piano man' dies at 46)
http://www.bbc.com/japanese/43326104

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする