「結婚式というものに一度も出席したことのなかった夫が、自分の結婚式で。司会者が『新郎は新婦と腕を組んで退場です』というと、自分一人で腕組みをし、私が手をかけようとしても、再三手を振り払って真顔で立っていた」
「日本に来て四、五年になるイギリス人の夫は自称『日本語ペラペラ』。けんかをして、『なんやねん、ひきょう者!』と言ったら、意味が分からなかったらしい。『どういう意味?』と聞いてきたが、腹が立っていたので『自分で調べろ』と言い返した。すると、辞書を見ながら『だれも訪れない寂しいところ……』とつぶやいていた」
可笑しい。つい借りてきました。朝日新聞日曜版編集部「ヘンな家族、だから大好き」(亜紀書房)。「いわせてもらお」というコーナーからのセレクションだそうです。
巻頭になぜか河合隼雄のエッセイが入っていて、その後は項目ごとに紹介されるのですが、様々な家族のなかでのふとした出来事がおもしろい。
よく見えないのでテーブルの上にある眼鏡を渡してもらおうと、「ねぇ、眼鏡取って」と言ったら、お父さんはおもむろに自分がつけていた眼鏡を外した、というのもなんだか可笑しい。
大別すると、子供にまつわる話題と夫婦に関する話題になると思うのですが、わたしは後者のほうが好きみたいです。子供の間違いはその年頃の「わからないこと」や「語彙が少ないこと」からきていることが多いですが、大人はその人柄が影響してくる。思わず笑ってしまうようなことを、よくとらえて表現しているのがいいですね。
わたしが好きな笑いは、言葉に関わるものが多いようです。最初にあげた二つの例から考えると、「腕を組む」という言葉が多義であること、「卑怯」と「秘境」が同音であることが関わってきます。
しかも目に見えるようですよね。わたしがこの披露宴に招待されていたら絶対爆笑します。
「日本に来て四、五年になるイギリス人の夫は自称『日本語ペラペラ』。けんかをして、『なんやねん、ひきょう者!』と言ったら、意味が分からなかったらしい。『どういう意味?』と聞いてきたが、腹が立っていたので『自分で調べろ』と言い返した。すると、辞書を見ながら『だれも訪れない寂しいところ……』とつぶやいていた」
可笑しい。つい借りてきました。朝日新聞日曜版編集部「ヘンな家族、だから大好き」(亜紀書房)。「いわせてもらお」というコーナーからのセレクションだそうです。
巻頭になぜか河合隼雄のエッセイが入っていて、その後は項目ごとに紹介されるのですが、様々な家族のなかでのふとした出来事がおもしろい。
よく見えないのでテーブルの上にある眼鏡を渡してもらおうと、「ねぇ、眼鏡取って」と言ったら、お父さんはおもむろに自分がつけていた眼鏡を外した、というのもなんだか可笑しい。
大別すると、子供にまつわる話題と夫婦に関する話題になると思うのですが、わたしは後者のほうが好きみたいです。子供の間違いはその年頃の「わからないこと」や「語彙が少ないこと」からきていることが多いですが、大人はその人柄が影響してくる。思わず笑ってしまうようなことを、よくとらえて表現しているのがいいですね。
わたしが好きな笑いは、言葉に関わるものが多いようです。最初にあげた二つの例から考えると、「腕を組む」という言葉が多義であること、「卑怯」と「秘境」が同音であることが関わってきます。
しかも目に見えるようですよね。わたしがこの披露宴に招待されていたら絶対爆笑します。