くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ドードー鳥の小間使い」柏葉幸子

2010-04-28 01:28:54 | YA・児童書
柏葉幸子「ドードー鳥の小間使い」(偕成社)を読みました。
朝の読書タイムを使って読んでいたのですが、途中で学年が変わり、荷物を違う部屋に入れたまま忘れていました。そういえば、ドドピスドドはどうなったのかしら。そう思って続きを読んだのですが。
やられました(笑)。こういう結末は予想していなかった。どういう結末なのかは遠慮して書きませんが。
ドードーという飛べない鳥。絶滅し、ほんの部分的な標本と数多の図版にのみその姿を残す彼ら。一昨年絶滅した動物たちについての本を何冊か読んだので、絶滅に至るあらましは記憶にありました。
人を恐れず、逃げ足も遅い。何匹叩き殺せるかゲームに興じたということもあったそうです。
そんなドードーの完全な剥製が発見されたら、ものすごいことになりますよね。実は、鳥類学者だったおじいさんが、ガラスケースに入った剥製を持っていたのです。そのおじいさんが亡くなったあと、部屋を使いたいと思って片づけているとき、誤ってケースを壊してしまい……。
あらわになったドードーの剥製が、なんと動き出したのです!
それがドド。自分の婚約者だったドドピスドドが魔法を使って会いにくると信じています。
でも、彼女が生きていたのはかなり昔。もはや骨はオカリナに、肉は燻製に、血は貴石に作り変えられているのです。
愛の力でドドピスドドを生き返らせたい! そう願うドドたちを付け狙うバンパイア・カバニア。彼の連れている猫のレーダーは敏感で、「アリス」の絵本にさえ反応します。すごい。
ドードーの小間使いとして指名されたタカは、反感を覚えながらもともに過ごすのですが。
コミカルなドドが、どんどん憎めなくなっていくのがおもしろい。「と」という言葉が出てくると「どど」といってしまうんですよ。例えばこんな感じ。
「魔法の力どど、わたくしどどドドピスドドの愛の力です」
ふはは。

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