くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ビブリア古書堂の事件手帖6」三上延

2014-12-26 19:30:23 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 つながっているのですね。全巻揃ったら、一気に読み直したい。(そのときまで我慢します……)
 「ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ」(メディアワークス文庫)。素敵なクリスマスプレゼントでした!
 めでたく栞子さんと恋人同士になれた五浦大輔。しかし、そこに現れたのは、あの田中敏雄です。彼は祖父が持っていた「晩年」を探し出してほしいと依頼します。
 手がかりを求めて会ったある古書店の主人から見せられたのは、一枚の写真。そこには田中の祖父と三人の男、中学生くらいの女の子が写っていました。彼らは「ロマネスクの会」という文学研究会を行っていたのですが、師であった富沢教授の怒りをかって出入りを禁じられる。書庫から太宰の稀覯本「駆け込み訴へ」を誰かが盗んだというのです。
 若き日の彼らが出会ったのは、大輔のおばあさんのやっていた「ごうら食堂」。(五浦と強羅をかけているんですね)
 大輔がかつての彼らをイメージしながら調理場に坐っている場面がすごく好きです。過去とのつながりを実感していく感じが。
 そのあとの対峙もいいですよねー。なんというか、血のつながりを田中に意識させるあたり、非常に読み応えがあります。
「どういうわけか、君の考えそうなことはわかるんだ」
 このセリフ、効いてる!
 今回は、伏線がとてもしっくり決まっていて、ああ、そうだったのと感心しきりです。
 わたしは太宰はさらっとしか読んでいませんが、周囲にはファンが多かったんです。(日本文学科の女子にはそのパーセンテージ高いんですよ)
 斜陽館にも泊まりましたとも!
 あとがきによれば、もうちょっとで(次かその次)シリーズが終わるのだそうです。うーん、終わってほしくない……。でも、決着は読みたい……。複雑です。

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