くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「我ら荒野の七重奏」加納朋子

2016-12-29 22:13:11 | 文芸・エンターテイメント
 「七重奏」って、普通なんと読みますかね。
 この本は「セプテット」と振ってありますが。
 わたしは「しちじゅうそう」だと思うのですが、学校で表彰するときなど「ななじゅうそう」という方が多くて。(同様に「しじゅうそう」も「よんじゅうそう」と……)
 「我ら荒野の七重奏」(集英社)。本邦初の部活親の会小説です。
 この本が出たとき、仙台の本屋で手に取ったのですよ。
 加納さんだし、学校が舞台だし、どうしよう。でも、わたし自身が親の会と余りにも近すぎて、なんとなく敬遠してしまいました。その後、「青春と読書」のインタビューで興味をもったのですが、地元には売っていなかった……。

 中学校の部活では、親の会の存在が大きいと思います。送迎、差し入れ、場所取り、慰労会、総会、送別会、保険加入、などなど。
 わたし自身も息子の部活の親会では、会計担当者です。吹奏楽部の副顧問をしたこともあります。
 この小説では、中学生になった陽介が吹奏楽部でトランペットを吹きたいと希望したものの、楽器決めではファゴットの担当になってしまいます。
 陽子はなんとか変更してもらえないかと学校に乗り込みますが、もちろん受け入れてもらえるわけがなく。
 ホールの場所取りで二日間交代で並んだことから、陽子たちは「ゴルビー」とあだ名するおじいさんと知り合います。(ゴルバチョフにそっくりなんですって)
 この方が実にいい味出しているので、ぜひご注目ください。
 例によって陽子らしい猛進ぶりで、ぐいぐいと改革していきますよー。

 演奏のために打楽器を保護者が車で搬入とか、会場まで公共交通機関を使用して保護者が引率とか、地区大会で銅賞なのに全国大会を目指すと宣言する保護者とか、こちらとはずいぶん違うと感じました。
 吹奏楽コンクールは、地区大会、県大会、東北大会、東日本大会、で金賞受賞してその中から選ばれないと。かなり、相当、狭き門です。
 確かコンクールの使用楽器は、各校担当を決めて持ち寄りでした。搬入は業者さんがしてくださいましたし、生徒は借り切りバスで移動します。 
 親の会の活動を避けるために、わざと会がない部活を選ぶ方もいるそうですよ。
 

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