くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「金持ちの未亡人事件」アガサ・クリスティ

2010-02-02 03:20:36 | 外国文学
ミステリかというと、なんだかちょっと違う気がする。でも、「アガサ・クリスティ探偵名作集」(各務三郎訳 岩崎書店)に入っていたのですよ。15巻「金持ちの未亡人事件」。
クリスティがこういうコメディを書いていたとは思いませんでした。
原作は「パーカー・パインの事件簿」で、「あなたは幸福ですか? もし、そうでなければ、パーカー・パイン氏にご相談ください」という新聞広告を出し、悩める人にアドバイスを行う紳士の物語。もちろんお金はかかりますが、相談者は概ね満足しておられるようです。
だから、氏は探偵というよりはカウンセラー的な役割をもっているのではないかと思うのですが、妖艶な美女と魅力的な優男、整理上手な秘書といった組織を構築して事にあたる手腕が、ミステリとしてのおもしろさになるのではないかと思います。
旦那さんが若い女に心ひかれていることを知った女性がやってきる第一話「中年の妻の事件」と、妻を大切にしてきたのに離婚を切り出された男が現れる第三話「妻を愛しすぎた夫の事件」。この解決のために、氏は部下を差し向けます。魅力のある異性と、自分のパートナーが親しくしている様子に嫉妬をあおらせるため。
それにしても似ているので、こんな双子みたいな話をどうしてわざわざ採用したのかと思ったのですが。
結末が違うので、あーなるほどーと思いました。それもそうだよね。(と自分だけ納得しているようでなんなのですが)
これは児童書だからなんでしょうか。ちょっとハヤカワミステリの棚を覗いてみたくなりました。
ラストに入っている未亡人の物語がいきいきしていて好きです。旦那さんを成功させたのも、彼女の手腕なのではないかな、と思います。
コメント   この記事についてブログを書く
« 「抒情の奇妙な冒険」笹公人 | トップ | 「文豪てのひら怪談」東雅夫 編 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

外国文学」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事