くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「歴史はバーで作られる」鯨統一郎

2018-03-18 20:24:16 | 文芸・エンターテイメント
 「邪馬台国」シリーズなのかと思って借りてきました。でも、違うバーで、違う登場人物(多分。人物の名前を覚えていないことが分かりますね……)
 バー<シベール>。美人バーテンダーのミサキさんと、常連の歴史学者(自称? それとも……)の村木老人。(二人は親密な仲?)
 そして、最近日曜日を夜に明日運ぶようになった喜多川先生(新進気鋭の歴史学者)と教え子の「僕」(安田)。
 ネアンデルタール人絶滅の謎、八百屋お七が小火程度に処刑されたのは? マヤ文明、銅鐸、そして、義経は別人説!
 歴史の知識がなくとも、話しているうちに鋭いひらめきを見せるミサキ。さらに彼女、提供してくれるカクテルやおつまみが魅力的です。
 カルピスを日本酒で割るYOSHITSUNEがおいしそう!

 わたしは日本史が好きなので、義経の回が最もおもしろかった。
 義経といえばジンギスカンといくのかと思いきや、常磐御前の願いで別人と差し替えられたというのです。
 義経の乱暴のエピソードで、金売り吉次の家を焼いたというのがあるそうです。(「義経記」)
 でも、「平治物語」だと陵助重頼という人なんだとか。
 すみません、わたし、あえて順番を逆にしました。陵の方が「歴史はバーで作られる」(双葉社)では先に描かれたています。
 鞍馬山から、義経を連れ出して平泉に案内した男ですよね。
 地元では「金売り吉次」が一般的なので、他の人の名前があるとは思ってもいませんでした。
 吉次は、金成という地域の出身です。父親は炭焼き藤太と言われています。都からお告げに4日嫁いだ奥さんの預けた黄金を鴨に向けて投げつけ、諌められたときに、炭焼き小屋の近くにいくらでもあると伝える。
 金成から平泉はそう遠くないので、藤原一族につてがあるのだと思うのです。
 でも、鯨統一郎のこういう視点はおもしろいですよね。

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