くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「地べたっこさま」さねとうあきら

2018-11-29 20:57:01 | YA・児童書
 観劇の予定があります。「おこんじょうるり 地べたっこさまやーい」。わたしの大好きな、さねとうあきらさん原作です!
 息子の本棚に黙って突っ込んでおいた「地べたっこさま」(理論社)を持ってきました。井上洋介画、1988年発行の三十刷です。多分、学生のときに買ったもの。
 わたしが幼い頃、母が県図書館からの委託文庫をしていたので、さねとうさんの絵本とはそこで出会いました。「かっぱのめだま」の怖さとか「おこんじょうるり」の愛情とか、とてもよかった。井上洋介さんのあの絵がまたいいんですよね!
 あと「おにんべわらし」が家にあったので、何度も読んだものです。
 久しぶりに読んでみると、細かいところをいろいろと忘れています。「くびなしほていどん」とか「なんばんきつねつき」なんかは、童話の域を越えた社会的なものもあります。(前者は百姓一揆、後者は異人が描かれます)
 「かためじぞう」は、盗賊の親分大虎が、貧しい家に生まれた自分の姿を思い返すお話です。父が迎えにくると思って耐えた馬方では裏切られた思いを抱き、兄が投げ出した荒れ地を開墾して豊かな畑を作ったのに取り上げられて。
 自分と同じように片目の坊さんが、昔自分がしたように荒れ地を緑に変えようとしている。その姿に心打たれて、大虎は一緒に働きはじめるのです。

 わたしが最も好きだったのは「なたねおりひめ」という作品。三十年くらい前にもう絶版といわれたので、もう読む機会はないのでしょうね。県図書館から借りてコピーとったことがあったけど、もうそれも見つかりません。
 記憶はおぼろになるばかり。読みたいなあ……。