くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「田嶋春にはなりたくない」白河三兎

2016-09-05 04:55:48 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 とある有名私立大学の、なんでもありサークル「N・A・O」に入会してきたとんでもない新入生田嶋春。法学部で学ぶ彼女は、出席者の学生証から未成年かどうかを判断し、居酒屋でのビールを断らせます。
 がちがちの正義感。話の腰を折るような蘊蓄。空気は読めないし、相手がいらいらしてもお構いなしの春は、周囲から浮いています。
 しかし、春を毛嫌いする高橋奏ですらも、やがては彼女の魅力に気づいていくのです。
 
 「田嶋春にはなりたくない」(新潮社)。
 先日、とある本屋でなんと白河三兎特集が組まれていました。
 わたしは「ふたえ」という作品が気になっていたのですが、本を買いすぎたので図書館で借りました。そのとき隣にあったのがこれ。
 春は常に自分のペースで行動します。でも、抜群の記憶力と洞察力がある。
 同級生の菅野くんは、地下鉄に傘を置き忘れたばかりに、彼女と相合い傘をするはめになる。
 しかも、春は帰りも待ち構えているんです。
 軟派な菅野くんが、そのあとボランティアを始めてしまうあたりも気になるのですが、さらには先輩もつられてしまうらしい。
 もう返してしまったので確認できないんですが、なんか伏線ありましたっけ?
 野球の試合では自ら塁審を引き受けたり、観覧車での一件があったり、悩み事を相談されたら修羅場でも駆け付けたり。
 なんだかシリーズ化してもおかしくないような気がします。上級生になった春とサークルメンバーたちの姿が見たい!