くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「先生と親のためのLGBAガイド」遠藤まめた

2016-09-03 09:09:59 | 社会科学・教育
 「先生と親のためのLGBAガイド」(合同出版)。図書館で目についたので借りてみました。
 LGBAというのがセクシャルマイノリティに関する方々の総称という意識はありましたが、横文字に弱いわたしにはうまくつかめない。アルファベットの順番も曖昧でした。
 この本の副題は「もしあなたがカミングアウトされたなら」。
 これから、性のバイアスはさらに多様化していくのかな、と考えさせられました。

 わたしは二十年余り学校に勤めていますが、あきらかにLGBAだと感じさせる生徒は思い出せません。(職員にはいましたが……)
 でも、人口の三から五パーセントくらいの人が属するといわれているのだそう。(クラスに一人くらいの割合とのことです)
 性はグラデーションの側面があり、手芸が好きだったり宝塚の男役ファンの男子、ボーイッシュな女子なども結構多いですよね。
 これまでも「きのう何食べた?」や「桜姫」「IS」「喪失グラデーション」などそれなりに読んできたと思うのです。「世界が終わる前に」も使われていましたね。
 で、この本を読んでみて、生徒の目に触れるところにそういうテーマの本やポスターを提示することが必要なのだと感じました。
 思春期はそういうことをどうしていけばいいのか、悩む時期ですものね。
 また、授業中にトイレに行ったり、不登校の傾向のある子にもLGBAとしての理由がある場合もあるという指摘も納得しました。
 自分の性がはっきり見られるのは、学校の場合トイレと制服なんですね。
 諸外国には同性を愛したら死刑という戒律の国もあるのだとか……。
 資料もいろいろついていて、相談機関やリーフレット、教材DVDなど紹介されています。「境界を生きる 性と生のはざまで」(毎日新聞社)と「にじ色の本棚 LGBAブックガイド」(三一書房)を読んでみたいと思いました。
 筆者の遠藤まめたさんはトランスジェンダーとして若者支援をされているそうです。学校ももっとLGBAを理解しあえるように活動してほしいというメッセージを感じました。
 確かに授業中にそういうチャンスはあまりないですね……。
 デリケートな問題なので、教師のからかいに傷つく生徒の悲しみはよくわかります。自分ならどう応えるだろうかと考えてしまいます。