くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「給食のおにいさん 進級」遠藤彩見

2014-05-01 04:42:04 | 文芸・エンターテイメント
 今月の新刊です。「給食のおにいさん 進級」。
 本編を買ったときに、同じ書店にはあったんですが、読んでみないとわからないな、と買うのを控えたのですが。
 もう、仕事が終わってから、本屋に走って買いました。娘がインフルエンザなのに。
 でも、こちらもおもしろかった。ラストが秋だから、さらに続編も期待できそうです。

 調理員としての仕事を継続するか、どこかシェフとしての働き口を見つけるか、葛藤する佐々目が、今回直面するのは「給食のマナー」です。
 まずは栄養、味は二の次三の次、という給食の世界です。しかし、「いただきます」は言わせるな、余ったパンにジャムで落書きしたからといって叱るな、というクレームを入れる保護者に愕然。各教室を覗けば、走り回る子がいたり、窓から捨てる子がいたり。果ては嫌いなイチゴをあちらこちらから集めてきて山積みにされる女の子。
 食事って、なんだろうと考えるきっかけになるように思います。
 幽霊騒動があったり、歌のうまい男の子が不登校になったりする場面も、小学生の男子の幼さをよく捉えていますよねー。
 我が子も小学生。毎日自校給食のメニューをチェックしていきます。栄養士さんが変わって、カツ丼が出なくなったのが無念らしいです。
「そんなに大切にされたら、子どもたちが今後困るよ。どうにもならないことがある、って知らないまま大人になる方が、よっぽど不幸だよ」
 そう語る深津先生に、大きく頷いてしまいます。
 教育って、なんとか一人でも生きていけるためにすることが目標だと思うんですよね。
 食べることは生きること。その時間を大切にしたいと思います。
 こんにゃく屋さんとのやり取りから、毛利さんの気持ちも伝わってきます。わたし、こんにゃく大好きなんです。あー、「こんにゃく番所」のフルコースが食べたいなあ。