くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

教科書展示会 その1

2011-07-14 05:13:02 | 〈企画〉
中学校の教科書が、来年度からかわります。そうなると教材研究は一から出直し。学級数が少ないと他学年も教えることになるので、何冊も構造化しなければなりません。
その前段階として展示会があるので行ってきました。国語の教科書は五社くらいあるので、読み始めると時間がたりません。全体的な印象として、新しい教科書は「書き下ろし」と「読書案内」に力を入れているように思いました。
読んだ順に。
M社。「伝える」教材の手順が細かい。空き箱を利用した読書指導は、題して「おいしい読書」。要はポスターセッションなんですが、紹介したい本の内容(感想・印象に残った部分・引用など)を配置して、読み手を引き付ける工夫をする。箱の上部に切り目を入れて感想を入れるポストにしてもいい。
三年間読書指導を継続していく展開になっています。
収録については、杉浦日向子「江戸からのメッセージ」、辻大和「シカの『落穂拾い』」安東みきえ「」というところがおもしろいと思いました。
二年生の授業を、わたしも二十年も前に受け持ったのですが、なんとほとんど教材が変わっていなくて、三浦哲郎「盆土産」、向田邦子「字のないはがき」、が懐かしい。小説読解のヒントとして、「書かれていない部分を想像して読み味わう」とあって、納得することしきりです。
「最後の晩餐」について書かれた文章に「手のポーズの見本帳」とまとめてあったのもおもしろい。
池上彰「メディアと上手に付き合うために」も興味深いです。
三年生では、沢木耕太郎の「ノンフィクション」が、とにかくよかった! 「深夜特急」の創作ノートを明かしています。旅先から知人に出した手紙、日記、出納メモといった素材からどうやって作り上げるのか。この作品のファンなら、なお楽しめるでしょう。「ノンフィクションがノンフィクションを生む」というフレーズが印象的です。
ちなみにノンフィクションとしては、自分の体験(記憶)と調査したこと(資料・取材)に分類できるというのも、頷いてしまいました。