くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「天才探偵SEN⑥迷宮水族館」大崎梢

2011-07-12 23:03:57 | YA・児童書
モデルは江ノ島と考えていいんですよね? 水族館が舞台の「天才探偵SEN⑥迷宮水族館」(ポプラ文庫)。
千たちが幼稚園で一緒だったらしい女の子・友美から、父親の勤める水族館に「半魚人」が出没するので調べてほしいという連絡が。
ちょうど校外学習に行く予定だった千たちは、その不気味な写真を見て衝撃を受けます。
憧れの真紀先生のお友達がイルカのトレーナーをしていると聞いた千は張り切りますが、水族館がリゾート施設に買い取られて閉鎖されるかも? という情報もあり、気が気ではありません。
校外学習の日、売店で言づかったのは、友美の家に届いたという不気味な手紙。
目撃した小学生の目の前で掻き消すようにいなくなる「半魚人」の正体とは?
信太郎が水族館を嫌いになった原因は、幼稚園のときに背中に魚(海獣の餌)が入ってしまい、パニックになったから。そんな信太郎が、半魚人は秘密の地下通路を使って移動すると自信ありげに言います。
水族館で調査をしているとき、そのとき魚を取り出してくれた康弘という男の子と再会するのですが、当時のことをやけに詳しく覚えていて、いやー、胡散臭いのなんの。
イルカトレーナーの舞美さんを巡って、苗場さんとイケメンさんが瑪瑙探しをするなど、大人の事情が登場するのも、にやりとしてしまいます。
しかし、いつも思うけど、真紀先生って軽率だよね。千にリゾート施設の売却問題を話すのは彼女なんですよ。
以前、よその学校のトラブルにも首を突っ込むように頼んでいたし、ちょっと保健の先生としてはどうなんでしょう。
今回は、犯人もわかりやすいし、伏線もぴたっと決まって、推理ビギナーの子たちにはよいと思います。
状況設定がうまいですよね、大崎さんは。
このまま続くと、千は中学生になったりするんでしょうか。(いやー、こういう名探偵って、小学生のまま年をとらない場合があるからね)