くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「しらべる力をそだてる授業」赤木かん子・塩谷京子

2011-02-17 05:48:31 | 社会科学・教育
素晴らしいなあかん子さん。わたしもこういう授業をやってみたい。いや、受けてみたい。すごい楽しそうなんです、子どもたちが。「わかる」って、楽しいことだよね、と感じさせる「授業ライブ」。この本「しらべる力をそだてる授業」(ポプラ社)と、「調べ学習の基礎の基礎」(ポプラ社)があれば、総合的な学習の時間の導入はできるんじゃない? と思ってしまいます。
わたしも、図書館を愛して三十年。ほとんどは「なんとなく」つかんだ活動です。でもその「なんとなく」を言葉にすることは難しい。さらに、それをまたほかの人に伝えていくのが難しい。
それが、かん子さんの手にかかるとするするっとわかってしまう。なるほど~。目から鱗がぼたぼた落ちまくりです。
いちばんおもしろかったのは「要約」!
百科事典の好きな項目を写させてから、それを三行にまとめる。一行めにはそのことばの説明。二三行めは自分が気になるところをもとに書く。
たしかに、わたしも気になっていました。参考文献の丸写し。著作権のことも紹介しながら学習させる。高級なテクニックですね。
さらにシールと本を使った地名の確認。「ウラをとる」技と都道府県が一気に学べるとは!
読めば読むほど新鮮な驚きで、子供にしてみれば今までとは学校図書館が違って見えるでしょう。
レポートの書き方やレファレンス学習の課題など、あー、これは自分でも一冊持っているべきだと感じさせられる有意義な本です。来年度図書委員会の活動として、継続してやってみようかしら。
で、夢中になって読むうちに、かん子さんの主張が非常に身に染みます。
司書教諭の仕事とは。そして司書とは。子供たちが学習すべき「調べ学習」とは、どういう手法で身につけさせるものなのか。
何度も図書館に足を運べば自然に覚えることですが、ビギナーである小学生(中学生でもそうですね)は、どうすれば何がわかるのか、その手法がわからない。
かん子さんは、レポートの種類として、社会学的なもの・科学的なもの・小論文をあげています。そこにのせる記事としての調査になるのですが、本やネットで調べたり聞き取りをしたりすることが一般的ですね。どんな情報でも間違いがあるかもしれないから必ず二冊以上の資料に当たって「ウラをとる」。まさにその通りです。
おもしろそうなので、レファレンス実習をうちの図書資料を使ってやってみました。「古代オリンピックの競技種目」とか「世界一大きい花」、「キリンの首の骨の数」といった調査事項に「こんなのホントに見つかるのかなあ」と思いつつ探してみたら、結構ある程度は目星がつきました。でも、まだ「ウラ」が取れていないなあ。
それにしても、「オセロゲームの発明者」がわからない。というよりもボードゲームに関する本て、うちの図書室ないのでは。
これからしばらくレファレンス修業を積みたいと思います。