くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ゴーストハント」小野不由美+いなだ詩穂

2011-02-02 05:53:33 | コミック
てな訳で、「ゴーストハント」のまんが版を読み返しております。
原作と比較すると、どのように演出されているかがよく分かる。特に、リライトされた二冊は初期の頃のせいか、結構省略が見られます。「人形の檻」(まんがでは「人形の家」)では柴田さんや曾根さんのような主要人物もカットされていますし。
連載でだんだん人気が出てきたんだろうなあ(笑)

文庫への収録も巻を追うごとに量が増え、原作では②③に該当するものが一冊に入っている(二巻め)けど、四冊めからは丸々一冊になります。
三冊めには原作になかった「サイレント・クリスマス」という短編が入っているのですが、これ、「確か小野不由美が書いた作品で、教会の上のほうに隠れていて……あれ、なんだっけ?」と、自分でも気になっていたものだったので、すっきりしました。
で、なんといってもいちばん怖いのは、「浦戸」です。まんが文庫四冊め「血ぬられた迷宮」、原作は⑤「鮮血の迷宮」になる予定ですよね。
あの肖像画、あの風呂桶、あの表情! わたしが「ゴーストハント」というとイメージするのはその場面なのです。本当に怖い。
原作を全部読んでから、シリーズを見返してみると、あちらこちらに伏線がありますね。綾子の「条件がよくない」、リンいわく「殺し合いならナルの圧勝」、そしてオリヴァー・デイビス博士。PKもESPも。さらに彼の所属する団体英国心霊調査協会の通称も「SPR」なのです。ユージインもこんな前から名前が出ていたんだ。
ふえー。
それにしても、みんな若すぎる。年齢をからかわれる綾子も、二十三だってよ! ぼーさんは「おれたちは全員三十まえだ」って言ってます。もともとティーン向けの話だからしかたないけど、依頼人も若いし、冷静に考えると不思議な感じがします。
ナルの師匠であるまどかだって、ぼーさんより年下なんだよね?
今年、最終巻が発売になるのが待ち遠しい。さすがにラストだけコミックス版を買うのも憚られるので。
小野さんの小説って、メディアミックスに向いているんでしょうね。小説からまんがになってアニメになって、また新装版。いろいろな角度から切り取られますね。
巻末についていたおまけまんがを見て、DVDを借りてこようかと思いました。
でも時間がなくて見られないなきっと。(非常に怖がりな娘の前では決して見られません)