くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「山背の里から」熊谷達也

2010-02-11 01:14:31 | エッセイ・ルポルタージュ
ごめんなさい。自分がマタギに全く関心をもってないことに気づきました。従って、その部分は流し読みです……。今後ほかの本を読んで、モーレツにマタギに興味を抱いたなら、もう一度読んでみようと思います。
熊谷達也「山背の里から 杜の都でひとり言」(小学館)。河北新報に連載されていたものも入っているので、何本かは以前読んだと思うのですが。
稲作の盛んな登米という町に育ちながら、故郷が嫌でしかたのなかった少年時代。けれど、東北の文化は農耕だけではなく狩猟の文化が息づいていることに気づく。熊狩りに同行し、熊鷹使いに話を聞く。「おしん」の父は貧困に苦しみながら、なぜ山に入って狩りをしないのかと疑問をもち、そうかと思えば行きつけのレストランがなくなったことを嘆く。
どちらかといえば、わたしは熊谷さんの日常生活の部分の方がおもしろいと感じました。とくに、伊坂幸太郎との対談が楽しかった。
二人は一回りくらい年が離れていて、書くジャンルも全く違うのですが、「仙台」というフィールドが共通している。対談の様子を読んでも、性格もかなり違います。
でも、一緒に国分町で飲んだりしている。三浦明博やら斎藤純やら平山美樹やら池上冬樹やら、東北に住む著述業の方々も加わることがあるそうです。豪華!
で、この中に気仙沼の小山歩さんの名前があって。お姉さんが熊谷さんの教え子なんだって。
小山さんの「戒」(新潮社)、わたし、大好きなんですけど、文庫にならないのでしょうか。もうずっと待ってるんですけどね。
対談のエンディングが可笑しいのでちょっと引用します。

伊坂 ホントにお互い違う世界を書いていますよね。今度、お互いの世界を取り替えっこして書いてみませんか。
熊谷 『重力マタギ』とか。
伊坂 『ピエロの森』とか。
熊谷 面白いかもね(笑)。

さて、2006年に仙台駅前の書店が企画したイベント資料が出てきたので、ついでに紹介します。
<熊谷達也書店>
『ユージン・スミス~楽園へのあゆみ』『ソラリス』『幼年期の終わり』『夏への扉』『グレートジャーニー』『車輪の下』『坊っちゃん』『アルジャーノンに花束を』『長いお別れ』『人間失格』『老人と海』『注文の多い料金店』など。
ラストに賢治をもってきているところに、赤坂憲雄さんとの対談のことを思い出しました。
「なめとこ山の熊」について考察しています。赤坂さんは民俗学のアプローチでマタギの世界を見ているけど、小説家の自由な空想もありなのではないかとお考え。
うーん、やっぱりマタギについて知るべきですかね。
そう思っていたらラジオで地元のマタギの方に関する話題をやっていました。地続きの話には弱いので、ちょっと調べてみたいと思います。