くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「とめはねっ!」河合克敏

2010-02-07 06:31:16 | コミック
二日ほど前、朝の気温がマイナス十三度というとんでもない日がありまして。水抜きしたのに、蛇口が全開のまま凍りついていて、さらにやっと出た水圧で湯沸かしの先端が吹っ飛びました。
しかも翌日は一日雪。そんな中娘が風邪をひいてしまいました……。
今日は先週読み返した河合克敏「とめはねっ! 鈴里高校書道部」(小学館)について書いておこうかと思います。
わたしも国語教師の端くれ。とりあえず書写の授業はやります。しかし、ほかのどの分野も好きなのですが、習字は苦手なのです……。看板や式次第を書くように言われる日には、どうにか勘弁してもらえないかと懇願します。たいてい許してもらえませんがね……。
そんなわたしの目から見ると、この漫画に登場する皆さんは別世界にいるようです。書道部でパフォーマンスなんて、考えつかないよ!
柔道部とかけもちの結希ちゃんが、勢いよく○を書く場面とか、ユカリくんがおそばやさんで接客する場面とかが印象的ですね。影山先生もいい。ドラマでは八嶋智人さんだったので、まさに適役!(すみません、子供を寝かしつける時間なので見てませんが)
あ、わたし篆刻には興味あるのです。印を彫る話もおもしろかった。
⑧まで一気に読み直したのですが、今まで読み飛ばしていた部分も分かって楽しいですね。とくに一条くん。彼の情熱はすばらしい。もちろん、そんな彼だから、小学生ながら三浦先生の門弟になれたのでしょうけど。
岩波少年新書に「部活魂」という本があるのですが、この作品の取材もとになった高校も紹介されています。すごく活気があっていいですよねー。
わたしも文化部で青春時代を過ごしたものとして、この「熱さ」に近しいものを感じます。世の中どうしても運動部のほうがもてはやされますが、真剣に文化部として活動するのは楽しいものですよね。何かをあきらめて活動をするのではなく、何かを探求する。
美しい字。奥が深いです。何人か書道の先生とも交流があるのですが、こだわる部分が人それぞれでおもしろいですね。姿勢をゆるがせにしない。墨はきちんと擦る。
わたしの教え子にも某新聞社の席書大会の常連でありながら、書きぞめでは県に進出できない子がいました。手本と形が違うせいなのです。うまくても手本から外れると賞はとれないのが書きぞめコンクールとはいえ、なんだか残念。
うまい人の字を見ていると、さらに上があるのかと思い、感慨をうけます。
それにしても、野球とサッカーが有望な少年たちを引っ張り合う、という場面で野球の代表が茂野吾郎なのには笑いました。隣は翼くん?
ところで結希ちゃんは柔道には奥の深さを感じてないのでしょうか、ね。