くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「今朝子の晩ごはん」松井今朝子

2009-09-09 05:16:48 | エッセイ・ルポルタージュ
朝や休憩で、ちょっと読むのにちょうどいい。「今朝子の晩ごはん」(ポプラ文庫)は、わたしにとって上等なおやつです。
名前通り、直木賞作家松井今朝子さんが、晩御飯に食べたものを中心に、日常生活を書いています。
乗馬に行き、劇場に足を運び、編集者と語らい、講演をし、と、松井さんの生活は結構多忙。でも毎日毎日更新している様子を見ると、本当に筆まめだなーと思うのです。
この本はブログを書籍化したものなのですが、「晩ごはん」ですから、当然書く時間帯は限られてくるのですよ。
ひまがあるときにちょこちょこ書いているのではないと思うし、作家としての仕事も忙しいのに、バイタリティがありますよね。
さらに、QP3分間クッキングの熱心な視聴者であり、作り方もよく教えてくれるのです。
一冊めの揚げた新じゃがにゆでたアスパラをそえて、とりひき肉のあんかけにする料理がおいしそうだったので、真似してよく作ります。アスパラがわりにさやいんげんでもいいですよ。
今回おいしそうだったのは、青菜と空豆に長芋をすりおろした和え物と、長芋と牛肉とチンゲンサイの中華風塩炒め。豚肉とこんにゃくのピリ辛炒め煮かなー。

松井さんは京都の老舗料亭のお嬢さんなので、「食」についてほんとうによく考えているな、と思わされます。スーパーで買う野菜と、育てられる野菜の味の違い。吉兆で食べ残しをほかの客に出していたこと。「もったいない」の感じ方。父親がだしの味をみて、今日のは捨ててしまった方がいいと言ったエピソード。
実は、まだ二冊めを読む前に、この三冊め「忙中馬あり篇」を読んだのです。半年間のタームなので、同じ季節を読むのもおもしろいと思いました。
岩手・宮城内陸地震にもさらっと触れてあって、当時のことを思い出します。それ以外は余り共通点はなかったのですが。